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6] 日韓造船企業の財務構造比較のまとめ

韓国造船企業の財務構造を日本と比較すると、韓国企業の方が優れている点は次の点である。

・売上高営業利益率は韓国の造船企業が日本の造船企業を上回っている。本業の利益率では韓国が日本を凌駕している。

・売上高成長率では韓国の造船企業が日本の造船企業を圧倒している。韓国の造船企業が成長期にあるのに対し、日本の造船企業は成熟期に位置している。

半面、韓国の造船企業が日本の造船企業と比較して劣っている点は次のとおりである。

・韓国の造船企業は強い拡大志向を背景に資産を拡充させており、資本効率が低い。

・韓国の造船企業の流動比率が低く、短期的な支払能力が劣っている。

・金利負担が大きいため、営業外費用負担が大きい。そのため、売上高経常利益率べースでは日本に比べ見劣りしている。

このように韓国の造船企業は本業では収益を挙げているものの、重い金利負担が収益を相当圧迫している点、拡大志向が強く資産効率が劣っている点が問題であると言える。

 

(2) 韓国の主要造船企業別財務状況

1] 企業規模

売上高規模は現代重工業が6兆ウォン超が最も大きく、ついで、大宇重工業、三星重工業の順になっている。これら3社に比べ、韓進重工業、三湖重工業の企業規模は格段に小さい。このように大手5社の間でも企業規模には大きな格差が見られる。なお、売上高は全社売上高を示すものであり、造船部門のみを示すものではない。

 

図:売上高の推移

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資料:各社財務データより作成(以下、資料名は同一のため省略)

 

 

 

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