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1] 政府部門

政府部門の改革としては、政府・地方行政組織の組織改革と共に、政府系企業の民営化を推進しようとしている。浦項製鉄、韓国電力等が主要な民営化対象企業となっている。但し、民営化計画は現在までのところ順調に推移していない。

 

2] 金融部門

金融部門の改革は、構造改革の大きな柱の一つであった。韓国政府としては、金融構造改善の成功例として90年代前半の米国を、失敗例として現在の日本をそれぞれ挙げており、金融構造改善に注力している。BIS基準自己資本比率8%未満の市中銀行・地方銀行については、経営改善不可能な銀行、経営改善が可能な銀行に分類し、前者に分類された5つの銀行に対しては早い段階で業務停止命令を下している。後者については、支店や組織縮小等のリストラ策を提出させると同時に、銀行間合併を促した。同時に、銀行の貸し渋りを解消するために98年9月に総額21兆ウォンの公的資金を投入している。これにより存続銀行の自己資本比率を10%台に上昇させることを狙った。

 

3] 企業部門

企業分野の改革は、金融分野の改革と並ぶ改革の柱を形成している。相次ぐ財閥の倒産は、財閥内企業の相互債務保証を基本とする資金調達により本業非関連分野へ安易に進出した結果、供給過剰を招き、その中で競争力の劣る企業が脱落し、連鎖的に財閥全体に波及することで引き起こされたものである。さらに、国内の財市場、金融市場の開放に伴い、韓国企業もグローバル・スタンダードに基づいた企業行動が要請されている。このような点を背景にして企業分野の改革は、従来拡大一辺倒であった財閥に対して効率性向上、競争力強化を図り、グローバル市場での生き残りを求めるものとなった。具体的には表に示す内容を骨子として実施されている。

 

 

 

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