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表:2000年11月のウォン安の背景要因

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2. 韓国の経済改革の概要

(1) 経済改革の背景

1998年の韓国は、朝鮮戦争以来と言って過言でない厳しい経済苦境に陥った。98年のGDP成長率はマイナス5.8%に落ち込んだが、これは第二次石油危機による80年(マイナス2.2%)以来、18年ぶりのマイナス成長であった。実は韓国は、80年以来、経済成長率が5%以下にすら落ち込んだことが一度もなく、経済不振がいかに深刻なものであるか推し量ることができる。98年2月に発足した金大中政権にとっても経済問題が最優先課題となったことは言うまでもない。

 

(2) 経済構造改革の骨子

韓国はIMFとの合意に基づき、構造改善に取り組むこととなった。IMFとの合意の骨子は、1)政府の効率性向上、2)企業経営の透明性確保、3)労働市場の流動化、であった。これに対応し、韓国政府は、政府、金融、企業、労働の4分野での構造改革に取り組むこととした。

 

表 韓国の経済改革の方向

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これら4分野の改革は、次のように進められた。

 

 

 

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