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図:韓国のGDP・1人当たりGDPの推移

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資料:韓国銀行

 

次にGDPを支出項目別に見ることで、1998年の経済不振と1999年以降の経済回復の要因を見ることとする。

1] 1998年の経済不振の要因

1998年の経済不振は次の項目が主な原因となっている。

・投資の落ち込み(総固定資本形成)

供給過剰問題による先行き不安感の増大、企業の財務構造悪化、金融不安による信用縮小により、設備投資が急速に冷え込んだ。投資の落ち込みが経済不振の最大の要因である。

・在庫の圧縮(在庫)

設備投資と共に、企業が在庫圧縮により先行き不安感の払拭、バランスシートの改善を図った。在庫圧縮も経済のマイナス成長の大きな要因となった。

・消費の落ち込み(民間最終消費支出)

従来、安定して経済成長に寄与してきた民間消費が大きくマイナスに転じた。賃金抑制、失業率上昇等により、消費マインドが冷え込んだためである。

 

半面、ウォン・ドルレートの大幅下落による輸出拡大と、国内消費・投資低迷による輸入減少が経済成長に寄与したものの、トータルでは前述のような大幅な減少に陥った。

 

 

 

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