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・現代重工業は、補機の生産能力を年産300台から同500台に引き上げた。もっとも、これは公称上の数値であり、実際はそこまでの生産拡大は難しいであろうと言う見方もある。

・双竜重工業は、設備増強を計画していない。収益面では、陸軍用エンジン需要の減少の影響を受けている。

・日韓の競争力を比較すると、韓国の弱みが目立っている。韓国の強みは生産コスト、弱みは、ライセンス生産に留まっていること、量産効果が発揮できないこと、である。

 

■ポンプ

・カーゴオイルポンプのみならず、エンジンルーム内ポンプでも、日本企業は韓国市場で高い市場シェアを誇っている。しかしながら、後者では、有力な韓国企業が成長しており、今後、日本製品に代替していくであろうという見方が韓国ではなされている。

 

■クレーン

大型クレーンは、欧州企業、日本企業が市場を占めており、韓国企業は力をつけてきていない。欧州企業は韓国国内でKD生産を行っている。半面、小型クレーンでは、韓国企業間の価格競争が熾烈であり、輸入製品が入り込む余地がなくなっている。

 

V. 日韓舶用工業の競争力比較と今後の日韓舶用工業の競争・強調のあり方

 

■韓国舶用機器競争力に対する見方

・韓国の舶用機器業界を全般的に見ると、強みはコスト競争力、弱みは技術力、ブランド力、企業基盤である。従来、日本側が韓国の弱みとして認識していた生産管理の甘さ、従業員の定着率の低さは、経済危機を契機に大きく改善した。(このような韓国の変化を日本の業界が十分に認識していない可能性がある。)

 

■韓国の大手造船企業による日本製舶用機器評価

・韓国の舶用製品市場の1割強を日本製品が占めている。日本製品は、品質、納期、アフターサービス、ビジネス感覚では強みを有している半面、価格が弱みとなっている。

・従来型製品は、韓国製舶用機器への代替、新技術分野では欧州製品の攻勢を受けており、韓国市場における日本製品の地位は予断を許さない。

 

 

 

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