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■韓国の造船・舶用工業界の中国に対する見方

・長期的には、中国が有力な競争国になるという見方では一致している。短中期的な見方では意見が分かれているものの、今後10年程度は、激しく競合することはないであろうという楽観的な見方が多い。その理由としては、韓国が造船業に本格的に乗り出してから世界一になるまで20年以上かかっていること(中国も同様に時間がかかるはずである)、中国は社会主義体制であり厳しさに欠けること、が指摘されている。

 

■韓国の欧州造船業界に対する見方

・欧州の造船業が衰退すると見るのは早計である、としている。その理由として、欧州は旅客船等の高付加価値船で強いため、金額ベースの建造実績は日本、韓国に匹敵している点が指摘されている。

 

III. 韓国舶用工業の現況

 

■韓国の舶用工業の概況

・韓国の舶用機器企業数は、400社強あり、うち174社が業界団体である韓国造船機資材協同組合に加盟している。地域別には、釜山市、蔚山市、慶尚南道といった韓国の南東地域に集積している。

・韓国の舶用工業は、1990年代に生産を大きく伸ばしている。

・韓国の国内舶用機器生産は、内需向けが主体であり、輸出向けは生産全体の7%(年間2億ドル強)に過ぎない。他方、韓国の国内舶用機器需要の1/4は輸入品によって供給されており、そのうち半分は日本からの輸入となっている。

・舶用機器国産化推進のための施策は行われているが、既に国産化率は高い水準にあり、国産化に対する関心度は低下している。但し、ポンプと航海計器については、国産化の意欲が聞かれた。

・韓国の舶用機器輸出全体の7割弱は、機関部の輸出によって占められている。但し、対日輸出に限ると、6割弱が艤装部の輸出によって占められており、輸出品構成はやや異なっている。

・代金受取条件は、ドル契約の場合はL/C現金払い、ウォン契約の場合はサイト60日の手形が一般的である。

 

 

 

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