日本財団 図書館


・SIにとって、緊急時の対応においてはメーカの誰に最初に連絡がとれるかは重要関心事である。後のメーカ側の対応の善し悪しを決めることにもなるため、上記の連絡先リストはSIは必ずメーカに求める。

・メーカ側も、最初に障害連絡を受けた担当者を中心にして、障害対応が行われる。

・SIはメーカに障害連絡を行う際に、状況を説明するための資料を作成する。当然に本資料は本船からの報告資料を基に作成されるわけたが、そのまま本船の資料を流すことはなく、かならずSIの見地で適切な内容に再構成・作成したうえでメーカに送っている。本船から直接にメーカに連絡が行くことは、特別にSIが了承した場合を除いては一切行われていない。

・メーカ側は当該資料に対して、回答用の資料を作成する。資料では本障害に対する対応策の提案や、発生原因に関するメーカとしての見解を述べる。さらに、必要な情報の入手の要請を行うこともある。

 

(3) 船主への障害連絡・対応協議

・SIは本船からの障害連絡を受けた直後から、船主への報告を行う。障害が軽微でメーカ対応が不要の場合でも、すべての障害事象について報告するのが原則である。(ただし、海外の船舶管理会社では必ずしもそうではないとの調査結果もある)

・SIは船主に障害連絡を行う際に、状況を説明するための資料を作成する。本資料は本船からの報告資料を基に作成されるわけだが、そのまま本船の資料を流すことはなく、送付する都度、船主の指定様式や、SIの見地で適切な内容に再構成・作成したうえで船主に送っている。

・計画保全に沿った通常の部品交換・工事実施とは異なり、障害時発生の緊急対応の最終的な意志決定は船主が行う。これは対応に要する諸費用を実質的に船主が負担する(船舶管理会社への管理船委託費の外との認識)ことも理由の一つであり、したがって、部品交換・工事実施の費用も、SIとメーカ間ではなく、船主とメーカ間の直接交渉になることもある。

 

(4) 修繕部品の発注手配

・修繕部品の発注は、障害発生時には当該機器メーカに依頼するのがほとんである。

・ただし、納期および価格の調整はSI・メーカ直接間で、受発注(伝票のやりとり)および搬入の調整はSI・部品業者・メーカ代理店間で行うという、意志決定の流れと、ビジネス(受発注、モノの移動)の流れが分離されるケースが多い。この場合は、部品業者およびメーカ代理店は、SIとメーカ間の直接交渉で合意された内容(納期、価格)・手順(搬入先、搬入方法)にしたがって、業務を遂行する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION