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2.3.2 障害発生時の部品交換・工事実施におけるアフターサービス関連業務

 

本局面における、関連企業間の業務フローを図2-5に示す。

ここでは、発電機エンジンの障害発生時の部品交換および工事実施に際しての、船-舶間のアフターサービスを示している。

大まかなフローは、本船からの障害連絡を受けた直後から、船舶管理会社のSIを中心にして、SI・メーカ間およびSI・船主間で対応協議のための情報が行き交い、具体的な対処方法が検討される。この間の意志決定にはSI側の手配業者やメーカ側の代理店の関与は少なく、これら3者間で対応策が決定された後の(部品交換、工事実施の)実施者として関わるのが通常のケースである。

すなわち、障害発生時においては、部品・工事の緊急手配、高度な専門知識を有するエンジニアの要請等のクリティカルな対応が不可欠となるゆえ、必然的にSI・メーカ間の直接交渉が中心になる。具体的な対応策はほとんどがこの段階までに決定される。関連業者や代理店は、あとはこの対応策に沿った指示をSI・メーカから受けながら手順の実施を進めるのである。

 

(1) 本船の障害状況把握・対応協議

・本船からの障害状況の報告は、逐一船舶管理会社のSIに報告される。以前まではFAXによる報告がほとんであったが、最近では本船へのPCとデジタルカメラの標準装備が進み、報告は障害状況が撮影されたデジタル写真(静止画像)を添付した電子メールで送られることが多い。

・SIが本船からの障害連絡を受けた直後から、船舶管理会社内(担当SI・フリートマネージャ・部長クラス間)の対応策検討がはじまると共に、船主およびメーカの連絡が迅速に開始される。

・本船からの第一報後も、引き続き本船から逐一状況報告がSIに送られ、また陸上で支援するSIから本船に対しても、指示、アドバイス、追加情報の要請等のやりとりが行われる。

 

(2) メーカヘの障害連絡・対応協議

・SIは本船からの障害連絡を受けた直後から、当該メーカヘの連絡を行い、メーカとしての見解を求める(障害が軽微でメーカ対応が不要の場合を除く)。

・この際にメーカのどの部署の誰に連絡するかは、事前にメーカからSIに配布される連絡先リストから選ばれる。連絡先リストには、通常時の連絡先と緊急時の連絡先が明確に分けられており、緊急時ルートにはメーカ本体への直接の連絡先とまた担当者の自宅の連絡先も上がっている。(一方で、通常時ルートでは、メーカ直接ではなく代理店の連絡先が指定されることが多い)

 

 

 

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