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(2) 修繕部品(消耗部品等)の発注手配

・修繕部品の発注は、通常時には船舶管理会社からエンジンメーカに直接にされることは少なく、船舶管理会社側の代理となる部品業者と、メーカ側の代理店間のやりとりが主となる。

・エンジンメーカと直接にやりとりする場合は、安全上クリティカルな部品で当該メーカからしか購入できないものや、価格が非常に高価なもので、メーカとの直接交渉を要する場合である。ただし、この場合でも価格や納期の直接交渉後においては、伝票の流れは部品業者とメーカ代理店間で行われる。

・船舶管理会社側の理由として、修繕部品の発注時は発電機エンジンについてだけでなく、他の機器の部品も併せて発注することが多いために、それらの部品の見積依頼、価格交渉、あるいは本船への一括搬入等のとりまとめ機能を部品業者に依るところが大きい。

・これはエンジンメーカにとっても、少量部品の本船納入のような小回りの利く対応をメーカ代理店に委ねることができるメリットがある。

・また、船舶管理会社側のもう一つの大きな理由として、少しでも価格の安い修繕部品を見つけたいことが上げられ、その機能を部品業者に持たせている。

・部品業者は、当該発電機エンジンのメーカのみならず、他の部品仲介業者等の常に数社への見積をとり、(安全性に問題の無い範囲で)最も価格の安いところから購入する。特にJIS等の規格品では当該メーカ純正部品と互換部品との価格差が大きい(最大5倍程度の例もある)ために、ほとんどを互換部品から購入している。

・部品業者は、大手船社の場合は系列グループ内の業者を利用することが多いが、それも部品業者として提示できる販売価格次第である。

・船舶管理会社では、予防保全計画で想定されている修繕部品・工事については、船社に逐一申請することはないまでも、その報告は行っている。これらは必要経費として年間予算の中に組み込まれており、年度あるいは計画の終了時点で管理会社と船社間で過不足の調整・精算を行っている。

 

(3) 修繕工事の発注手配

・修繕工事の発注は、通常時には船舶管理会社からエンジンメーカに直接にされることは少なく、船舶管理会社は工事の技術レペルに合わせて専門の修理業者(いわゆる沖修理業者)を手配する。

・船舶管理会社側としての理由は、やはり価格が最も大きな要素を占めており、工事に高度の技術レベルを求められる場合を除いて、メーカのエンジニア(スーパーバイザ)の派遣依頼は必要最小限に留めたいという意識が働く。

 

 

 

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