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サーバに実装される外部アプリケーションプログラムは、比較的複雑な処理に対応できるものとするため、CGI(Common Gateway Interface)方式ではなく、API(Javaプログラム)方式を採用すべきであるが、この場合、使用するJava言語固有のAPIを使用しなければならず、プログラムの再利用性という点での課題は残る。

また、HTML文書を経由するWWW系のシステムでは、HTTPプロトコルの制約により完全なセション管理を行うことができず、これにより複雑なクライント側処理が行えないという課題もある。

本方式におけるセキュリティーへの対応としては、ログインパスワード機能の付加や暗号化方式の採用が主要なものとなるが、これらについては今後発展が予測される電子取引を契機とした更なる技術開発が予測され、これらの技術を活用することにより大きな課題とはならないと考えられる。

 

2) COM/DCOMのFMSNへの適用評価

COM/DCOMはマイクロソフト社の戦略に従って開発されたものであり、他のOSでは必ずしもサポートされない点が極めて大きな欠点である。

そのため、Windows系ではないプラットフォームを用いているベンダには受け入れにくいものとなることが懸念される。したがって、より汎用性の高いCORBAと組み合わせて、CORBA-COM/DCOMブリッジ等を経由する必要が生じる。しかし、このブリッジもどこまでサポートされるかが不明であるので動向を見守る必要がある。

一方、まだ、産業応用には十分な実績がないこと、Windows系のシステムは現時点ではまだ信頼性が十分ではないという点から、ヘビーデューティな要求のある部分には適用しにくいものと言える。ただし、産業応用システムの中でもOA的な用途には浸透していくと予想される。

陸上システムとの通信は、衛星回線等を通じて実施するが、その間は最も回線コストが安く、かつ信頼性、秘匿性の高い方式を採用すべきである。COM/DCOMは船陸間通信には向いておらず、適用範囲はLANにおける通信に限るべきである。また、一般に船内のサブシステムには、Windows系以外のマシンも多数存在すると考えられるので、COM/DCOM系とCORBA系を併用した構成になると考えられる。

 

3) CORBAのFMSNへの適用評価

CORBAは分散したアプリケーションをオブジェクトとして捉え、それらを連動させるメカニズムを提供する。即ち、

1] データの位置を意識せずにアプリケーションを構築できる

2] 分散処理に必要な基本機能が提供されている

 

 

 

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