3) APIに対する要求仕様の作成
2)項の結果を基にフリートマネジメントシステムネットワーク用APIの要求仕様を作成した。
2.2 実施期間
1) API技術の現状及び将来動向調査 平成11年4月〜平成11年9月
2) 調査結果の評価及び検討 平成11年4月〜平成11年9月
3) APIに対する要求仕様書の作成 平成11年10月〜平成11年12月
4) とりまとめ及び報告書の作成 平成12年1月末
3. 実施内容
3.1 異システム間相互接続とAPI
スタンドアロンで動作しているシステムは、異システムとの接続の必要性はないが、異なるシステムが融合して全体システムが構築される場合、異システム間の相互接続性を確保することは重要である。
一般的に異システム間相互接続は、OSI 7 階層モデルに沿い、TCP/IPなどの通信規約のもと、プログラムインタフェース(API)を共通化して実現している。APIはOS(Operating System)の有する機能を利用するため、ユーザに用意されたプログラムインタフェースを指す場合が多い。ユーザは、このプログラムインタフェースを利用して、目的とするアプリケーションを容易かつ短期間に作ることができる。ユーザプログラミング時にはコンピュータシステムのハードウェア仕様を知る必要はなく、APIを使ってアプリケーションの作成に専念できる。
この考え方をもう少し拡大して、FMS(フリートマネジメントシステム)ユーザアプリケーション開発をより促進するため、広範なマクロ的APIを提供することにより、ユーザは多数用意されたツールの中から最適なものを選択し、素早く統合でき、そのAPIを共有することにより、コストと時間のかかるアプリケーションの構築やカスタマイズの必要がなくなる。
FMSにおける異システム間相互接続という観点から見ると、船社が船隊を効率的に管理するためには、単に自社と船上の特定システムだけを接続するのではなく、船のライフサイクルサポートという観点に立ち、造船所、機器メーカまでを含めたネットワーク化が重要なものとなる。そのため、FMSネットワーク(FMSN)は、必然的に船上、陸上に設置される多くの異システムを相互に接続し、有機的なネットワークを構築することを視野に入れなければならない。FMSにおける異システム間の相互接続を実現するには、共通の接続仕様をオープン化し、オープンシステムを支える基盤となる広範なAPIを標準化する必要がある。その結果、ハードウェアやOSに依存せずにアプリケーションレベルのシステム開発が行え、ユーザサイドにおける標準的な運用を達成することができると同時にシステムの信頼性、パフォーマンスの向上も得ることができる。