(13) B-6(半径流型スワラ+4分割アトマイザ+二次空気分割)
B-3の仕様に加え、4分割アトマイザを使用した。NOx低減および短炎化の両方に効果が有り、なかでもNOxはA重油で41%、C重油で26%低減した。
(14) B-7(半径流型スワラ+4分割アトマイザ+二次空気分割+二次空気旋回)
B4で、安定着火しなかったため、本仕様も同等であると判断し実施していない。
なお、その他の測定項目としてCO、バッカラッカスモークナンバを測定している。いずれの試験バーナにおいても、CO<100ppm(A、C重油)、スモークナンバはA重油で0〜1、C重油で1〜2.5であり、燃焼上問題ないことを確認している。(開発日標ではスモークナンバを1以下としていたが、C重油では残留炭素も多く、この目標を達成するのは困難であることが分かった。)
図8は各試験バーナの結果を棒グラフに示したものである。本調査研究の目標性能であるNOx低減率30%以下(170ppm以下、C重油)および短炎化20%減(1m以下)に対し、B-1、B-3が目標性能にわずかに追いついていないものの、NOx低減、短炎化の両方に効果を発揮する方法が見いだされ、技術的に大きな成果を得た。また、NOx低減にはB-6、短炎化には、A-4、A-7、B-1においてそれぞれ単独の目標を達成している。なお、本調査研究で行なわれたNOx低減法は、主にサーマルNOxに効果のある方法であったため、A重油燃焼での低減効果が大きく、C重油燃焼では今ひとつであった。今後、C重油燃焼においては、段階的燃焼法などを考慮にいれて開発を行なう必要がある。
図9にB-1におけるC重油燃焼の排ガス特性を一例として示す。通常、小型バーナはO2=3〜4%で運転されている。B-1の例でも標準品と同じく、O2=2%(空気比1.1)でも正常に燃焼し、低O2燃焼が可能であることを確認した。また、O2=2%ではNOxが160ppmとなり、O2=4%でのNOx値に比べ約30ppm少なくなっており、低空気比燃焼がFuel NOx低減に有効1、2、3)であるとの報告を裏付けている。