5. まとめ
5.1 成果
舶用ボイラ用小型高性能バーナの実用性を調査した結果、次の事項が明らかになった。
(1) 半径流型スワラによる混合促進によって、低NOx化と短炎化を同時に実現することが可能であることがわかった。
(2) この混合促進に加え、分割火炎を実現するための各試験バーナの部品仕様を組み合わせることにより、より低NOx化を促進させることが可能であることがわかった。
(3) NOx低減率30%、短炎化20%減のそれぞれについて目標を達成できるものがあることがわかった。
(4) 低質燃料C重油においても、空気比1.1付近での燃焼が可能であることを確認した。
5.2 今後の課題
今後、本調査結果をもとに実用化に向けて開発を行ないたい。以下に開発に向けての課題を示す。
(1) 低NOx化と短炎化を同時に達成した仕様をもとに、更なる性能向上を図る。
(2) 本調査研究で深く追求されなかった事項(点火性能、保炎器へのカーボン付着、熱的耐久性等)について試験を行なう。
(3) 本調査研究で十分に行なわれなかった排ガス循環法や段階的燃焼法などについて、さらに実用上の可能性を追求する。
〔参考文献〕
1. 燃焼工学ハンドブック(日本機械学会編)、丸善(株)、1995、p.92.
2. 四訂 公害防止の技術と法規(通産省環境立地局監修)、丸善(株)1995、p.117〜144.
3. 定方正毅:化学工学 第44巻 第6号、p.324〜330、1980.