(3) A-3(標準ディフューザ+二次空気分割)
火炎を分割するために、二次空気を3分割した。NOxは22%減少したが、火炎が長く、また、低空気比での火炎安定が悪かった。火炎は期待したほど分割されていないように見えた。
(4) A-4(標準ディフューザ+二次空気旋回)
短炎化を実現する目的で、二次空気に旋回をかけた。NOxはほとんど変化せず、火炎長さが25%低減した。空気比を上げるとさらに短炎化され、空気比1.5付近では半減した。
(5) A-5(標準ディフューザ+自己排ガス循環)
排ガスを一部循環させたが、NOxは低減せず、火炎が長くなった。フレームファンネル内のO2濃度を測定した結果、約18%で排ガスはほとんど循環していなかった。逆に二次空気の流れを阻害したために、火炎が長くなった。
(6) A-6(標準ディフューザ+4分割アトマイザ+二次空気分割)
NOx低減のために、上記の複合効果をねらって計画したが、A-3で火炎安定性が悪かったので試験は行なわなかった。
(7) A-7(標準ディフューザ+4分割アトマイザ+二次空気旋回)
NOx低減と短炎化の両方を期待して行なった。火炎長さは同じように短くなったが、NOx低減効果はみられなかった。この場合、短炎化の効果のほうが大きく、NOx低減効果を阻害したと考えられる。
(8) B-1(半径流型スワラ)
本スワラでは、標準品のようなディフューザ型の保炎器で火炎が付着して安定するのと異なり、スワラ後流の中心軸上に再循環領域が形成され保炎される。その違いでNOx低減と短炎化の効果が共に現れ、約20%程度の低減効果があった。
(9) B-2(半径流型スワラ+4分割アトマイザ)
B-1の仕様に4分割アトマイザを使用した。この結果、B-1の結果よりもNOxがさらに低減したが、火炎が長くなった。これは、A-1の場合と同じように、噴霧を分割したために、燃料の微粒化が悪くなっており、この影響が現れたものと思われる。
(10) B-3(半径流型スワラ+二次空気分割)
二次空気通路を4分割して火炎の分割化を図った。NOx低減および短炎化の両方に効果が有り、なかでもA重油のNOx低減に大きな効果が現れた。
(11) B-4(半径流型スワラ+二次空気旋回)
試験は実施したが、安定着火しないために、途中で断念した。
(12) B-5(半径流型スワラ+自己排ガス循環)
A-5において効果が現れなかったので、本仕様も同等であると判断し実施しなかった。