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調査研究の結果を踏まえて、数種類のバーナ仕様を決定し、バーナの設計を行なった。NOx低減法(表2)および短炎化の方法(表3)のうち、下記の方法を選び設計・試作を行なった。

 

(1) 混合促進→低NOx化と短炎化

空気と燃料噴霧の混合は、一般的には図3.1(a)のように再循環領域のなかにあるのがよいとされてきたが、本調査研究では、燃料噴霧の位置を(b)のように替えてやると混合が促進され、低NOx化と短炎化の両方が実現されるのではないかと考えた。この(b)の位置は、乱流拡散混合がもっとも激しいところであり、この領域に燃料噴霧を噴射させると、短時間で混合が促進され火炎は短くなり、しかも局所的な高温領域が形成されにくくなるために、NOxは少なくなると推測したものであるが、このような考えと調査研究の結果を踏まえて、一次空気と燃料噴霧の混合促進を図るために、現行品のデイフューザ型保炎器(図2)に替えて、半径流型スワラ(図3.2)を採用した。

また、二次空気との混合を促進させるために、二次空気スワラ(図4)を採用した。

(2) 分割火炎→低NOx化

火炎を分割するには、アトマイザによる方法と、空気供給を変更する方法とがある。燃料噴霧を分割するために、4分割アトマイザを設計・試作した(図5)。

また、二次空気を分割するために、保炎器外周に閉塞板を取り付けた(図6)。

(3) 自己再循環→低NOx化

排ガスを循環させるために、二次空気噴出による誘引効果を利用した(図7)。

 

試験は、上記(1)〜(3)の単独効果および複合効果を確認できるよう、各バーナ部品の組み合わせを考慮して設計した。

なお、試験バーナの効果を比較する対象として、当社舶用小型バーナ(以下、標準品とする)を採用した。

 

 

 

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