3. 実施内容
3.1 最新陸用低NOxバーナの性能把握に関する調査・解析
陸上用バーナの構造・性能把握に関する調査を行なった。学会等の文献、パテント、各社カタログ等の資料をまとめた。表1.1、1.2に調査したバーナ仕様の概略および性能を示す。バーナ仕様A〜Dは陸上ボイラ用として、E、Fは家庭用または業務用給湯・暖房用として、G、Hはガスタービン用燃焼器として、Iはスターリングエンジン外部熱源用として開発されたものである。
表2に、NOx低減法1)と表1.1、1.2中の各バーナ仕様に採用されている方式の分類を示す。これらのうち、ガスタービン用やスターリングエンジン用などの比較的高負荷のものには、混合促進による方法1、2)が採用され、ボイラ用には、分割火炎、白己再循環、段階的燃焼が採用されている。
表3に、短炎化の方法と表1.1、1.2中の各バーナ仕様の分類を示す。短炎化には、基本的に空気と燃料との混合促進を考えればよく、調査したバーナ仕様の例では、空気流入の方法を工夫することにより、対流混合を促進する方法が採用されている。
3.2 舶用ボイラ用試験バーナの設計および試作
以下に、試験バーナの基本仕様を示す。
名称:舶用ボイラ用小型高性能バーナ(図1)
燃焼量:90kg/h
燃料:A重油、C重油(Fuel N≒0.2w%)
アトマイザ:油圧噴霧式
油圧:18kg/cm2
点火方法:火花直接点火方式
空気供給ファンモータ:3.7kW
燃料ヒーター:6kW(C重油加熱に使用)
要求性能(目標):
NOx低減率 現状の30%以上低減
(目標170ppm以下(O2=0%換算値:C重油、Fuel N≒0.2w%))
ばいじん バッカラッカスモークナンバ 1以下
排ガス残存O2 3%前後
短炎化 20%減