商の和による規制は、過去の実績を勘案し、安全確保の面で有効であると考えられる。しかし、危険物の流通を阻害しかねない点があるので、これを改善するため、何らかの考慮がなされなければならない。また、規制を広く周知徹底させ、かつ遵守しやすくするためには、その簡素化が必要である。
上記の二点を配慮し、危険物の特性についても考察の上、下記のように商の和の規制より部類別を除いても安全の確保ができるということについて、一応の合意がなされた。
a) 港則法上もっとも警戒すべき災害は大規模な爆発、火災が発生し、近隣住民など多数の者が死傷し、或いは被災すること、若しくは有害ガス、放射能などが広く拡散し、広い範囲の人々に障害が及んだりすることであろう。以上の危険性が比較的低いと考えられる毒物と腐食性物質は商の和の規制の対象より除いて、それぞれの荷役許容量まで荷役できることとしても安全の確保はできる。
b) 毒物、腐食性物質以外の類別は、大規模災害の危険性が比較的高く時的に大量に取り扱われることが禁止されるべき危険物と考えられるので、従来とおり商の和の規制を行う。
毒物、腐食性物質でも、前記大規模災害の危険性を有するものがあり、改正作業が行われるならば、その時点でこれらも含め細部につき、更に検討する必要がある。