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(4) 可燃性物質類(クラス4)

このクラスには、危険性の多少異なる3種類の物質が含まれるが、可燃性物質(4.1)に比べ、自然発火性物質(4.2)や水反応可燃性物質(4.3)のほうが多少発火危険の大きい物質を含む。これらの危険性は中引火点引火性液体と同程度と判断して、4.2および4.3については5、100、500トンとし、4.1はほぼその2倍を許容量とした。

(5) 酸化性物質類(クラス5)

このクラスは酸化性物質(5.1)と有機過酸化物(5.2)に別れる。前者は可燃性物質と接触、混合した時、発火、爆発などを起こす物質が中心であり、後者には、爆発性を有する物質が多く含まれる。そこで、ここでは5.1と5.2の区別のほか、5.2をさらに港則法上で爆発物とした爆発物の副標札を付すものと、それ以外のものに細分した。災害事象は爆発と火災を考えればよいが、前者の危険性は可燃性物質類のうちの4.2, 4.3あるいは引火性液体類の3.2と同程度と考え、A、B、C1の各岸壁区分ごとにそれぞれ5、100、500トンを許容量とした。

また、後者の中で爆発物に属するものの許容量は、火薬類の許容量を多少上回る0.5、10、50トンとし、それ以外の有機過酸物はその2倍とした。

(6) 毒物(クラス6、等級6.1)

毒物による災害事象としては、水溶性の液体や固体が海水中へ拡がる場合や蒸発した有毒蒸気が空気中へ拡散する場合などが考えられる。しかし、これらの危険性は、荷役作業において特に大きいとは思われないので、高引火点引火性液体などと同様に、ここでは最も大きい許容量である10、250、1000トンを適用した。

(7) 放射性物質(クラス7)

放射性物質については、危規則に定められた輸送指数によって積載量が制限され、特に港則法上の許可基準は必要がない。

(8) 腐しよく性物質(クラス8)

この分類に属する物質も毒物と同様、水に溶解して海水中に拡がる場合が唯一の問題となるが港湾における公共の安全に対する危険性としては、それほど大きなものではない。したがって、この場合も10、250、1000トンの許容量を適用する。

(9) 有害性物質(クラス9)

このクラスは例外を除いて港則法上の危険物から除かれており、また、例外として港則法上の危険物として選定した物質の危険性も必ずしも同一ではなく許容量を決定しにくい。そこで、このクラスに入っている危険物は将来、その危険性に応じて他のクラスに移る可能性が高いことを前提として、便宜上、10、250、1000トンの最も緩い許容量を定めた。

 

これらの結果は、荷役許容量と岸壁に対する保安距離の両対数グラフで表示すると、図1のように6本の平行な直線となり、下方に位置した直線ほど危険性が大きい物質ということになる。

 

 

 

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