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2] 荷役を伴わない危険物積載コンテナについては、積載場所が区画を開放する場所であるか否かにより停泊許容量が荷役許容量の「2倍」又は「5倍」と規定されているが、積載場所に関わらず一律「5倍」とすることにより、「商の和」の計算の緩和を図る。

 

(2) 追加安全対策について

同一船舶において複数のコンテナクレーンを用いて同時に荷役を行う揚合には、1つのコンテナクレーンにおいて災害が発生した場合に、他のクレーンは直ちに荷役を中止する等の措置が万全に行われるように、個々のコンテナクレーンの間における緊密な連絡体制を確立する。

 

3.7 あとがき

平成13年1月にIMDGコードが改正され、これに伴って港則法上の危険物の見直しを行った。

今回改正された新規物質等から港則法上の危険物の選定を行うにあたっては、当委員会において定めている港則法危険物選定基準表に基づいて選定した。

ただし、今回の改正において、クラス4.1の一部の物質については容器等級の定めてない物があったので、それらについてはこれまでの容器等級等を参考にして選定を行った。

今後このような物質が増えてくることが予想され、物質の特性を考慮した別の選定方法も検討しておく必要が出てくるかもしれない。

また、コンテナ専用岸壁(C2岸壁)に限って、危険物接岸許容量の見直しを行った。

この見直しは、最近のコンテナ船の大型化に伴って、一船当たりの危険物の積載量が増加してきたことから、円滑な船舶輸送が困難となりつつあり、危険物接岸荷役許容量の規制緩和の要望が船舶輸送関係団体から出てきたことによるものである。

危険物接岸荷役許容量については、当委員会で昭和48年に検討して結論を出し、さらに昭和54年に見直しを行っている。しかしながら、それ以後はそのままの状態で今日に至っており、昭和54年当時と現在においては危険物荷役の実態が相当異なってきていると思われ、現行の荷役許容量を見直すこととした。そこで、危険物荷役の変遷、特に安全対策面がどのように改善されてきたかを調査研究することとした。

その結果、コンテナ船の大型化に伴って、コンテナヤード内のコンテナ移送方法、コンテナクレーンの構造、及びその使用方法等において、昭和54年当時から比較すると格段の進歩が認められ、事故の発災危険がかなり低下したと考えられた。

一方、コンテナの構造及び検査、危険物を収納する容器の性能及び検査にも最近は一定レベル以上の制約が掛かっており、事故の発災危険の低下だけでなく、何らかの原因でクレーンからコンテナが落下しても、そのコンテナ及び容器の強度の向上によって被災危険の低下も期待できた。

 

 

 

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