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人気の高い合唱曲

 

オーケストラ以外で人気の高いのは合唱曲である。柴田は戦後間もない1949年の音楽芸術誌に7回にわたって「バルトーク論」を連載した。そしてバルトークか当時未だ進歩していない録音器を持ってハンカリーやルーマニアの民謡を採取し、自己の作曲の糧にしたことを賞讃した。その行為は自然柴田の日本民謡に対するコレクション欲をかき立てた。そして73年に出来た合唱曲が「追分節考」である。これは上原六四郎の著書「俗楽旋律考」からヒントを得て作ったものである。その他合唱曲では「萬歳流し」(75)、「北越戯譜」(75)、「念佛踊」(76)と続くが、筆者は「修二會讃」(78)が特に気に入っている。これは東大寺の修二會の声明を多量に録音して整理、合唱曲にしたもので、とても感動的である。

 

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