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新日本フィルハーモニー交響楽団

New Japan Philpharmonic

 

1972年、小澤征爾のもと楽員による自主運営のオーケストラとして創立。

指揮者団制度を設け、小澤征爾(首席)、斎藤秀雄(顧問)、山本直純(幹事)、手塚幸紀、小泉和裕が名を連ねる。

9月より東京文化会館で定期演奏会を開始。

同時に山本直純を音楽監督とするTV番組『オーケストラがやってきた』にレギュラー出演、以来11年にわたってクラシックの大衆化の役割を担う。

73年、小澤征爾指揮で香港音楽祭に出演。その好評により74年には、小澤征爾、秋山和慶の指揮で国連を初めとする欧米演奏旅行を行い、世界の注目を集めた。

同年、指揮者団顧問の斎藤秀雄が逝去、楽団より永久指揮者の称号を送る。

75年より80年まで、小泉和裕が音楽監督を務め、楽団発展の礎を築く。同年、東京で本格的に客演指揮を始めた朝比奈隆が新たに指揮者団顧問に就任。

83年より88年まで、井上道義が第2代音楽監督を務め、優れた企画力と充実した演奏が好評を呼び、定期演奏会はしばしば会員で満席の盛況となる。

85年には、小澤、井上指揮のもとロンドン、ミュンヘン、パリ等欧州公演を行う。

88年、カザルスホールで<ハイドン交響曲全曲シリーズ>を開始、世界初の全107曲に及ぷ公開演奏会は足掛け4年、34公演をもって全曲を完奏。同年、墨田区が錦糸町に建設するコンサートホールにフランチャイズする覚書を区と交わす。同年、財団法人化を果たし、理事長に石川六郎が就任。

すみだトリフォニーホールに基盤を置き、定期公演や名曲シリーズ、さらに1999年から2000年にかけて、井上道義の指揮で『マーラー全交響曲ツィクルス』を行うほか、地元の学校体育館で催すコミュニティ・コンサート、小中学校の音楽授業や各種施設に小編成で訪れる出前コンサートなどで地域に根ざした演奏活動を展開している。

 

楽曲解説

 

モーツァルト Wolfgang Amadeus Mozart 1756-1791

歌劇「フィガロの結婚」序曲

[作曲年]1786年 [作品番号]K492 [演奏時間]約4分

 

モーツァルトは、わずか35年という短い生涯に600余の珠玉のような作品を残しました。しかも、交響曲、室内楽曲をはじめ、楽劇、協奏曲、声楽曲等あらゆる種類の音楽に及んでいることは、ただ驚嘆のほかはありません。

彼は歌劇もかなりたくさん作りました。「フィガロの結婚」をはじめとして、「ドン・ジョバンニ」「魔笛」「コシ・ファン・トウッテ」「後宮からの誘拐」などは、世界中のオペラハウスでしばしば上演され、広く親しまれています。

「フィガロの結婚」は、1785年から翌年にかけて作曲され、1786年5月にウイーンで初演された全4幕の歌劇です。原作はフランスの作家ボーマルシュ、台本はイタリア人のロレンツォ・ダ・ポンテが書きました。美しいアリアや重唱がふんだんに盛り込まれた豪華な作品です。序曲は愉快なオペラの内容にふさわしい快活な音楽で、これも非常にしばしば演奏される名曲です。

 

メンデルスゾーン Felix Mendelssohn-Bartholdy 1809-1847

ヴァイオリン協奏曲ホ短調

[作曲年]1844年 [初演]1845年3月13日ライプツィヒ・ゲヴァントハウス [演奏時間]約28分半

 

メンデルスゾーンは、短い生涯にきわめて多くの作品を書きました。ヴァイオリン協秦曲は、若い時代の二短調と、べ一トーヴェン、ブラームスの名曲とならぶこのホ短調しか残しませんでした。しかしこの協奏曲はメンデルスゾーンのすべての作品のなかで最もすぐれたものであるばかりでなく、ドイツ・ロマン派の生んだ最も豊麗な協奏曲として記念碑的な意義を持つ作品です。全曲は三つの楽章からなりそれらは中断されることなく演奏されます。これは、当時としては新しい手法でした。欄熟したロマン的雰囲気の快い流動感を断ち切らないためにこのような形がとられたのでしょうが、しかし各楽章は素朴で有材的に連絡づけられているわけではなくて、おのおの独立してひとつのまとまりをもっています。そういう所に古典派の伝続に足場を置いて、しかも、新しい時代の息吹でそれを満たしていったメンデルスゾーンの作風が典型的にあらわれています。

 

 

 

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