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水路Cは池の二段下の休耕田のもので長さ27m、幅約60cm、水深は5〜10cm。この水路には、湧き水が流れ込み、「ガマ」(暗渠)へと流出している。水路Dは池の三段下の水田に流れ込む長さ約21m、幅約1mの水路で、水深は水田の落水前は約30cmであったが、9月下旬の落水後は約10cmとなった。2000年に造成した池Cは、夏季にはイネを植え、冬季に落水を行わない滞水田の環境とした。なお、結果および考察では4本の水路をひとつの区として扱った。

 

2. 調査方法

調査は1999年6月1日から2001年3月2日まで原則として週1回、標識再捕獲法により、ミズカマキリ、タイコウチ、ヒメゲンゴロウ、ガムシを対象として行った。なお、タイコウチについては2000年より調査を開始した。すなわち、1999年には、池A、B、湿地、水路A、B、C、Dにおいて、2000年にはこれらの区に加えて水田、池Cにおいてこれらの水生昆虫を捕獲し、個体番号をつけて放逐することで各個体の移動・分散を調べた。

水生昆虫の捕獲は、池A、B、C、湿地、水路A、B、C、Dについては、その全域で、水田は畦から2mの範囲を水生昆虫網を用いてすくい取る方法で行った。個体番号は、ミズカマキリRanatra chinensisの場合は上翅に油性ペンで書き込み、タイコウチLaccotrephes japonensisおよびコウチュウ目では上翅にミニルーター(Earth Man製Hobby Makerミニルーター)で彫刻した。

 

 

 

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