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池Cは距離的にも他の調査区と近かったにもかかわらず、移入種数が少なかったことから、一部の水生昆虫の生息には適していなかった可能性が考えられる。

 

2. 確認種

本研究では、1999年には池A、B、水路の全調査区でカゲロウ目、トンボ目、カワゲラ目、カメムシ目、アミメカゲロウ目、コウチュウ目、ハエ目、トビケラ目の8目55種のべ40771個体の水生昆虫が確認された(表1-1)。2000年には、新たに池Cを調査対象に加え、8目62種のべ61875個体が見られ、確認された水生昆虫は2年間で合計8目66種102646個体にのぼった。1年目と2年目の共通種は51種で、1年目のみに見られた種はクロゲンゴロウ、メミズムシ、ヤスマツアメンボ、アブsp.2の4種で、2年目に初めて確認された種はキベリヒラタガムシ、タマガムシ、チビミズムシ類、ミズムシ類、アメンボ、オオアメンボ、イトアメンボ、ケシカタビロアメンボ、マルタンヤンマ、アオイトトンボ、センカイトビケラ類の11種であった。

調査区ごとに見ると、池Aでは、1999年には8目50種のべ20986個体、2000年には8目56種24482個体、2年間で合計8目60種のべ45468個体が確認された。46種は両年で確認され、シマアメンボ、ヤスマツアメンボ、メミズムシ、アブsp.1の4種は1999年のみ、アオイトトンボ、マルタンヤンマ、イトアメンボ、アメンボ、オオアメンボ、ミズムシ、キイロヒラタガムシ、タマガムシ、ガガンボ類、センカイトビケラ類の10種は2000年にはじめて確認された。優占5種は、個体数の多い順に1999年にはマツモムシ、コミズムシ類、シオカラトンボ類、フタバカゲロウ類、ユスリカ類で、全体の78.7%、2000年にはマツモムシ、ショウジョウトンボ、シオカラトンボ類、コミズムシ類、フタバカゲロウ類で68.7%を、それぞれ占めていた(表1-2)。

池Bでは、1999年にはトビケラ目を除く7目40種のべ8513個体、2000年には8目55種のべ12268個体、2年間で合計8目57種20781個体が確認された。1年目と2年目の共通種は38種で、ケシゲンゴロウとクロゲンゴロウの2種は1999年のみに、アオイトトンボ、モートンイトトンボ、モノサシトンボ、マルタンヤンマ、ケシカタビロアメンボ、チビミズムシ類、コマツモムシ、クロズマメゲンゴロウ、ハイイロゲンゴロウ、スジヒラタガムシ、ゴマフガムシ、キベリヒラタガムシ、タマガムシ、ガガンボ類、ミズアブ類、ホソバトビケラ、センカイトビケラ類の17種は2000年に、それぞれはじめて確認された。

 

 

 

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