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結果および考察

1. 累積種数

池Aでは、1999年5月8日の造成から5月22日の調査開始まで間にシマゲンゴロウなどコウチュウ目8種、ミズカマキリなどカメムシ目3種、トンボ目1種(シオカラトンボ類)、ハエ目1種(ユスリカ類)の計13種の移入が確認され、造成後1ヶ月でコウチュウ目10種、カメムシ目5種、トンボ目2種、ハエ目2種、カゲロウ目1種、カワゲラ目1種の合計21種が移入した(図1-2)。その後、1999年10月までは7月と9月の2回を除いて、10月上旬までは調査ごとに、それぞれ新たな種の移入が確認された。11月には新たな種は確認されず、12月9日にミズアブ類とホソバトビケラが移入し、1999年の累積は50種になった。

2000年にも新たな種の移入は断続的に確認され、3月20日にミズムシ、4月1日にアメンボ、4月29日にオオアメンボ、5月13日にイトアメンボ、6月13目にマルタンヤンマとアオイトトンボ、6月19日にタマガムシ、6月26日にキイロヒラタガムシ、7月22日にガガンボ類、9月30日にセンカイトビケラ類の10種の移入が確認された。2年間の移入は累積で60種にのぼった。移入の大半は1年目に起こっており、2年目の移入種のうちマルタンヤンマ以外は確認個体数も少なく、一時的な移入種と考えられた。

池Bでは、1999年5月22日にコシマゲンゴロウなどコウチュウ目6種、マツモムシなどカメムシ目2種、ハエ目1種の計9種、造成後1ヶ月では計20種の移入が確認された(図1-3)。その後、9月27目にクロゲンゴロウが確認されるまで新たな種の移入は続いたが、9月29日の落水以降、新たな種の移入は見られず、1999年は累積で40種の移入が確認された。2000年には4月29日の入水後、次の調査日の5月13日にはすでに23種、1ヶ月後には31種と昨年を上回るぺ一スの移入が確認された(図1-4)。その後、6月下旬まで、調査ごとに新たな種が移入し、14種にのぼった。7月以降は、移入は断続的に確認されるようになった。10月7日にキベリヒラタガムシとセンカイトビケラ類が新たに捕獲され、移入種数は累積で57種になった。2000年には、隣接する池Aが新たに供給源として機能したため、急速な移入が起こったと考えられる。

池Cでは、2000年4月29日の造成後、1ヶ月の移入種数はマメゲンゴロウやマツモムシなど3目6種のみと、他の調査区に比べ移入速度は遅かった(図1-5)。しかし、7月29日から8月12日の期間と8月26日の調査を除き、9月24日にクロイトトンボとホソカ類の2種が確認されるまで、調査ごとに1〜6種と少数ながらも継続的に移入が確認された。その後、10月14日にチャイロマメゲンゴロウ、12月16日にガガンボ類が新たに確認され、移入種数は最終的には34種になったが、他の調査区より少なかった。

 

 

 

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