日本財団 図書館


2. 調査方法

水生昆虫の調査は原則として週1回、1999年は5月22日から12月9日までの計27回、2000年は3月20日から12月16日までの計33回行った。調査は直径約40cmのD型水生昆虫網を用い、ため池では畦の上から1.5m以内を、また、池Aでは中心部も1.5m幅で端から端まで、水路では2mごとに3mにわたって、水面から水底までをそれぞれすくい取った。すくい取った水生昆虫はその場で確認した後に、種名と個体数を記録し、放逐した。なお、種名の分からないものについては研究室に持ち帰り同定した。

本調査では、現地での識別が困難なシオカラトンボ類(シオカラトンボ、シオヤトンボ、オオシオカラトンボ)、ギンヤンマ類(クロスジギンヤンマ、ギンヤンマ)、アカネ類(マユタテアカネ、ナツアカネ)をそれぞれ1種とした。また、アメンボ類幼虫、ゲンゴロウ類幼虫、ガムシ類幼虫、コミズムシ類、チビミズムシ類、フタバカゲロウ類も種の識別が困難であったため、それぞれ1種として扱った。

 

3. 解析方法

調査対象としたため池A、B、Cおよび水路間の水生昆虫群集の種構成をSorensenの類似係数QSを用いて比較した。類似係数QSはOから1の値をとり、1に近いほど両調査区の種構成が類似していることを示す。類似係数QSは以下の式により求めた(木元・武田、1989参照)。

QS=2c(a+b)

ただしaおよびbは両調査区の種数、cは両調査区の共通種数。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION