特にはっきりした林相目標がない場合でも、最初に作業目的を周知徹底してから作業にとりかかります。一般的には、できるだけ多くの樹種を残すようにし、特にその地域に特有なもの、花の咲くもの、実がなるもの、紅葉が美しいものを優先的に残しながら、林内の樹木にまんべんなく日光が当たるようにします。樹種が分からないものがあれば仲間と同定しあいながら作業するような余裕が欲しいものです。
残した木に、枯れ枝や混み枝があれば、下刈りの項で述べたような剪定も行います。なお、クヌギなどのように、切り株から萌芽を出して再生するものは、切り株が腐らないように、完全に水平ではなく少し傾斜をつけて切ります。そうすれば、雨が切り口に溜まらず腐りにくくなります。北摂あたりでは、鹿に萌芽をかじられないように地上1m以上を残して伐採を繰り返し、いわゆる台場クヌギ仕立てを行っています。