四つ目に挙げられるのが、その環境保全機能です。炭酸ガス(CO2)の吸収、大気の浄化、高温化する都市気温の調節、雨水を一度に流さずに土壌に含んだり、地下水へ浸透させる機能、それに草木の根株で土が崩れるのを防いだりと、見えない所で私達の生活を守ってくれています。
五つ目に、里山の生産機能は無視できない大切な機能です。薪炭林や農用林としての役割を失った現在では、クヌギ・コナラ林の一部が、シイタケ栽培用の榾木(ほだぎ)や製炭用に利用されているに過ぎないのが実状です。世界的な森林資源の枯渇に、石油危機の不安、さらに石油のような化石燃料の消費が、地球温暖化の原因になるものとして、今後その使用規制が避けられない状況にあります。その意味で、里山の森林は再生産と持続的な利用が可能な資源として、つまり、広葉樹材の国内自給や燃料の安全保障の役割を果たすものとして、重要な潜在力を秘めています。