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(左)ヤマザクラの大木

(右)コバノミツバツツジ

 

この営林方式は、生産的に効果的であると同時に、レクリエーションや自然観察の目的にも適合します。高く抜きんでた大木は、森林内外の景観に魅力と変化を与え、野鳥の誘致や営巣にも適するからです。したがって、林内にこのような付加価値の高い樹種の実生があれば、成長を妨げる周りの木や下草(競争植物)を取り除いてやり、その成長を促すようにしてやりたいものです。

 

一方、アカマツ林の風情も美しいが、関西地方では歴史的な過剰利用や地形条件によって、痩せ地に適応力のあるアカマツが里山の多くを占め、景観的に単調なきらいがあります。そこで比較的土壌条件の良い場所では、漸次、雑木林に転換するのがよく、これはマツ枯れ被害地での森林回復にも適用できます。

 

アカマツ林の中・低木層にも、コナラ、リョウブ、クリなどの落葉広葉樹が成育していることが多く、アカマツの間伐と、選択的な常緑広葉樹種の除伐によって、これらを育成してやればよいのです。ただし、土壌条件の厳しい尾根部や急傾斜地では良好な成育が望めないから、土壌保全の見地からも手をつけないほうがよいでしょう。

 

 

 

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