12 ブーカー
サディク(浜木綿、はまおもと)の白い茎を15、6センチばかりに切り、表皮を1、2枚はぎとってからその下の白い皮をていねいにはがすと薄いすき通ったのが残る。これを下部から上部に向って巻きとり、片方を糸でくくり、片方から息を吹き込むと風船のようにふくれたところを空気が抜けないように糸でくくるとブーカーができる。
村ではサディクを土地の境界として植えているのでそれを切り取ることは禁じられているが、子どもらはそのうちの大きいのをこっそり切ってきた。
時には入砂島から周りが15センチもある大きいサディクを男の人が取って来て子どもらにくれることもあった。このサディクだと直径7、8センチの大きいブーカーが作れた。