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方針3. 湿潤亜熱帯の植生にふれあい学ぶ

(1) 在来植生とふれあう

20) 小中学生の遠足の復活

在来植生を保全するとともに、島に自然の植生を取り戻し将来にわたって継承していくためには、次の世代にその大切さをうまく伝えていかなければならない。小さな島の多様な自然環境と身近にふれあうことが第1歩である。かつて小中学生の島内での遠足の場であった島尻毛をはじめ、イノー、ニシムイ等、島の自然に触れあえる場を新たに発掘し、島内遠足の復活を図るものである。その際、必要な遊歩道の整備やハブの対策を十分念頭に置く必要がある。

 

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昭和57年「アンゼラ」浜での遠足

 

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昭和58年 島尻毛にて

 

21) 葉や実を使った遊び等の体験の継承

かつてフクギの葉で帆掛け船をつくったこと、オオハマボウの花を揉んでシャンプー代わりに使ったこと、葉は現在のトイレットペーパーであったことなど、島人と植物との密接な関わりの中で生み出されてきた貴重な生活の知恵が多い。子どもたちとお年寄りとの共通の場を設け、実体験をとおすことによって先人の知恵を語り継いでいく必要がある。学校教育と生涯教育、さらに福祉、保健、医療等の多様な連携によって推進していくことが望まれる。

 

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12 ブーカー

サディク(浜木綿、はまおもと)の白い茎を15、6センチばかりに切り、表皮を1、2枚はぎとってからその下の白い皮をていねいにはがすと薄いすき通ったのが残る。これを下部から上部に向って巻きとり、片方を糸でくくり、片方から息を吹き込むと風船のようにふくれたところを空気が抜けないように糸でくくるとブーカーができる。

村ではサディクを土地の境界として植えているのでそれを切り取ることは禁じられているが、子どもらはそのうちの大きいのをこっそり切ってきた。

時には入砂島から周りが15センチもある大きいサディクを男の人が取って来て子どもらにくれることもあった。このサディクだと直径7、8センチの大きいブーカーが作れた。

 

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