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(2) 在来植生を保全・管理する

3) 定期清掃(雑草取り等)の実施

集落境界や農地境界などにみられるクリノイガ、シロノセンダングサ等の外来の雑草を、花実がつかないうちに摘み取る。集落内においては、大正時代からスタートした小中学生主体の「朝起き会」が週3回ラジオ体操後集落内の清掃を行っており、雑草取りもその一環に加えてもらうことが考えられる。また、村行事の前に行う事前清掃を兼ねて年1〜2回程度は各世帯から参加し、全住民による雑草取りを行う。

 

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▲シロノセンダングサ

 

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クリノイガ〔いね科〕Cenchrus brownii Roem. & Schult.

方言名 アメリカグサ(伊平屋)

撮影 昭和51年1月/名護市

ポリネシア原産の1年生草本で、茎は下のほうで分岐して匍伏し、節のところから根を出したりします。1mぐらいの高さになるといわれていますが、普通は30〜50cmぐらいです。名は総包の形がクリの“いが”に似ていることからつけられました。低地雑草。若いものは飼料。

 

4) 定期的なモニタリングの実施

ギンネム、クリノイガ、コマツヨイグサ等の外来植生の分布や増減の状況を住民自らがチェックできるように先ずモニタリングカルテを作成する。カルテに基づいたモニタリングを小中学生の野外実習や行政の定期パトロールを兼ねて台風後など年数回実施し、記録を蓄積するとともに前項の雑草取りを行う場の選定等に活かす。

 

5) キャンプ用地の範囲設定と利用ルールの作成

今後増加することが予想される来訪者(特にキャンパー)から島の自然海浜を保全するために、アンジェーラやカーシリ等でのキャンプ可能な用地の範囲や期間を設定し、適切な管理を行う。海浜にはハマボウフウやハマユウ、イノーにはリュウキュウアマモやウミヒルモ等の自然植生・海草が生育しており、立ち入る範囲と一定期間の養生は大切である。その際、ハブとの棲み分けにも配慮した対応策が求められる。

 

 

 

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