3] 土地利用
本村は、面積379haの狭小な島嶼村である。現在、一島一村の形態をとる渡名喜島355haと、軍用地で無人島となっている入砂島24haからなる。渡名喜島は山がちの地形にあり、山林原野が229ha(64.5%)と最も広く、農用地40ha(11.3%)、遊林農地25ha(7.0%)、宅地12ha(3.4%)、公共施設9ha(2.4%)などとなっている(表2-17、表2-18)。
フクギに囲まれた伝統的な地割形態を有する集落は、村民生活の中心地であり、漁港周辺に公共・公益施設が集積している。また、農用地は土地改良事業等の基盤整備が進められ、もちきび、シマニンジンの作付け面積が拡大したことなどにより、農用地の合理的な利・活用の期待が高まっている。
南北の丘陵域は、戦後の一時期には食料確保のために山頂近くまで段畑として活用していた。現在では、カワラナデシコやタイワンビロードシダなどの貴重な植物が分布している。
海岸域は、陸域をとり巻くようにリーフが発達し、海洋からの自然緩衝の役割を果たしている。サンゴ礁原は沿岸漁業の漁場となり、また、海の小動物に接することのできる身近なレクリェーションの場ともなっている。