・会員は現在70名(女性はそのうち1/4)で内20名は町外在住者である。町外の人には町の価値を客観的に見てもらえ、住民には気がつかない点を教えてもらえる。
・毎月1回の例会を玉屋にて開催。会員は積極的な活動をすることを念頭とし、名前だけの会員でないようにと、思いの証として会費を3,000円としている。
・関宿はその地域の宝ではなく、町全体・県・国の宝と思っている。
・会としては、一般的なPR・啓発を日常的にやることを目的として、観光面(含むまつり)ではタッチしていない。
【嶋村技師より町政の取り組みヒアリング】
・住民への周知を始めて20年になる。この間に補助制度を創設し、啓発してきた。
・焦らず地道に進めることが大切と考えている。
・補助制度を利用して改築される家は、近年になってから増加している。また、電線類の地中化も近年完成した。
・空家が徐々に増えている。その対策として遠方に住んでいる方にも一つ一つお願いしている。もちろん今住んでおられる方を第一に考えているが。
・補助を受けて改築して良かったという声が口コミで広がっている。実際には、世代の意見の相違で家庭内にジレンマを感じている場合もあるようである。
・山車(4台)は町の文化財の指定を受けている。内1台は日野町から来たものである。
・町並みの関係で町が進める主な事業は次の通りである。
・民家の改修等補助
町並み保存条例(昭和59年国の重要伝統的建造物群保存地区に選定された区域)
現状変更の申請許可:これが通らないと建築確認申請及び補助金申請ができない。
保存対象家屋の改修(修理):80%補助(800万限度)
保存対象外家屋の外観改造分(修景):2/3補助(300万限度)
・基盤整備(道路整備、電線類地中化、下水道整備)
・文化施設整備
・空家対策
・保存対象家屋は江戸〜昭和初期の建物が中心で、区域400軒の内200軒が対象となっており、固定資産税が免除となっている。現在は家屋だけとなっているが、土地も検討中である。この件に関して、町内における地域格差の問題は否めない。
●専門係と専門職員の配置について
現在の専門職員は、保存会も含めた啓発等の対応はもちろん、現状変更申請の受付・指導、さらに建築設計・指導・相談など、ソフトからハードまであらゆることを行っている。
(嶋村氏は長野県奈良井宿の重伝建地区で建築指導されていた人で、古建築の専門家である。5年前に関町へ請われて来た。)
地元の大工は古い家屋の改築は嫌うが、現在は不況のため喜んで施工されており、そうした大工の相談・指導も行っている。
・「町並み」に対する住民の意識はまちまちの状況であるが、将来的には全てが一定水準に引き上げたいと考えている。
・学校教育の必須科目として「町並みに関する教科」を実施し、町の専門職員が講師となったり、宿泊体験等を通じて歴史的な価値観を学び、現在多くの子ども達が認識を持つようになっている。また、一般の方には生涯学習で進めている。