・住民の思いとしては、あまり観光化しないことを望んでいることから、来町者はトイレや食事場所に不便を感じているようだ。
・町の改築等に要している予算は年間3,000万(国1/2、県1/20)+700万(町単費)=3,700万である。
・関町は行政の強力な推進により、町並み保存を進めてきたが、実質的に民間も参加して盛り上がってきたのは、15年以上経過してからだったとのことである。
●参加者の感想
参加者の熱心な視察で、実り多い研修となった。感想集は資料に添付しているが、抜粋すると次のような意見が寄せられた。
1] 参考になったことや学ぶべき点
・地域の人が主旨に賛同し、前向きに実践されていること。
・学校教育に、歴史的町並み教育を導入している点。
・専門的職員を配置していること。
・補助で改築できるのはいいことだが、家庭内で意見の相違があって簡単なことではないということがよくわかった。
・町並みだけでなく、道具等も大切に保存されていること。
・官民一体で取り組んでいる様子に感動。地域の人の誇りが感じられた。
・生活を中心にして粘り強く説得を続けて取り組んでおられること。
・今まで何度か訪れているが、説明を聞いて、その努力に敬服した。
・町並み保存には長い時間が必要であること。
・その中で、適切な予算措置が必要であること。
2] 気づいた点・感じた点
・代表的な施設や建物の必要性
・幅広い意見を大切にした町並み保存のあり方。
・外の人の意見を聞く重要性
・明確なテーマの必要性、それによって広範な支持が得られる。
・関の場合街道なのでまとまっているのが、やりやすかったのではないか。
・町並み保存には総合的な施策と粘り強い努力が必要と痛感した。
・関町の他の町並みとの格差が気になった。
・人口規模から見て、日野町でも、100人位の保存会が可能ではないか。
・教育の重要性、これはすぐ日野でも取り組めると思う。
3] 今後の「会」の活動について
・どんどん広報活動をして町民の皆さんの賛同を得ていく。
・曳山会館建設を一つの目標にしたらどうか。何か具体的目標が欲しい。
・積極的に活動する人を対象としたい。
・行政の施策を何らかの形で表していくことが必要。
・とにかく勉強していくこと。気軽に話せる場を続けていくこと。
・今からでも遅くないので、頑張っていきたい。
・まず旧家の調査を実施すること。
(3) アンケート調査
本調査に取り組むにあたって、平成11年度に町によって、日野町の旧市街の村井、大窪、西大路、松尾の部計1,164世帯に対して、町並み保存意識調査が実施された。