しかし一方で、はたしてこの町は来訪者を受け入れる心はあるのかといった話になる。日野は来訪者に対して排他的なところがある、来訪者に町を見せようとは思っていない。来訪者にやさしくないというのは、日野商人の家では主人が留守であったので来訪者へは警戒の気持ちがあり、それが今も残っているのかもしれない。だから、まず人づくりがキーワードになるだろうという意見がでる。さらに、観光というよりも交流と捉えた方が日野の町に合っている。商業ベースの観光地ではなく、歴史・暮らしの交流を大切にしたいといった意見があつまる。そのためにはまず、住民主体のまちづくりからはじめよう、町の人が自分の町に誇りをもって、来訪者を迎えることができるといいと意見がまとまる。観光は、本来「地域の光をみる」という意味である。日野の「光」は、住民の誇りあるまちづくりのことだろう。