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参加システムを弾力的にして義務感をやわらげることは必要だろう。資金的な問題はあるが、作業参加者に若干の出役手当を出すことで、都合の悪い人は後ろめたさなく休みやすくなることはある。要するに、活動に参加しやすい環境とあわせて、気遣わずに休める環境も整えておくことが、活動に継続性をもたせるポイントといえよう。

 

(2) 支援態勢

 

浮野の里を保全する活動が葦の会中心となるのは今後も揺るぎないだろうが、地域活動が広く市民の理解を得て、市民の憩いの場として利用が盛んになるためには、外からの支援を広く受け入れることである。葦の会以外の支援者が、自由に葦の会に出入りするようになればすばらしいことだ。外部支援者と連携がとれれば、活動に幅がでて、なにかにつけ協力態勢をとってもらえるようにもなる。

たとえば外部支援者としては、一般市民、環境保護団体、青年会議所、商工会、JA、観光協会、婦人会、学識者などが考えられる。

スタートは市の広報を通じて賛同者を募り、きちっとした説明会を開く。最近は一般市民のボランティアへの参加意欲は高くなっており、そういう地道な活動が続けられる機会を用意すれば、かなりやる気のある人たちが集まってくる。団体や招請したい人物には事前に下交渉して内諾を得ておくとよい。ただし、団体と関係を結ぶ場合、どの部分で協力や役割分担できるのか、最終的には確認し合うことが必要だ。

説明会にかぎらず、どのようなときでも、葦の会も行政も、この活動が加須市民だけでなく周辺都市からの利用も視野に入れた公益のための環境保全活動であり、地域エゴでやっているのではないことを理解してもらうことが重要である。他の地域から“あそこばかり力を入れている”と、行政や当該地域に対して不公平感をもたれないよう歯止めをかけるためだ。

参加する外部支援者の代表は、協議会にも加わってもらい、ガラス張りでお互いの理解を深める。

 

6-5 資源活用計画

 

1) 体験プログラムの企画・運営

 

浮野の里の地域資源を質的な面での有効性を高めるため、体験活動のフィールドとしてこの場の活用をアピールしていく。とくに2002年から始動する、新学習指導要綱のなかで「総合的な学習の時間」が教科として位置づけられたため、学校教育としての体験活動が盛んになることが予想されている。

 

 

 

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