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国際観光振興会は非常に小さな予算しか持っていません。それで自治体、関係事業者、それから航空会社、鉄道会社などにも頑張っていただき、共同戦略について統一できないだろうかと考えております。あるねらいを定めて集中的にPRしていくことが大切かと思います。

【守谷】コンベンションの開催は東京・大阪が多いですが、アフターコンベンションということで東京・大阪でのコンベンションの後、南九州の観光プログラムを販促できないかを1つ考えております。その際、国内線でITCチャーターを旅行会社とジョイントプロモーションするアイデアもあろうかと思います。それからコンベンション絡みで私どもが一番動きやすいのは、オフィシャルラインの選定を受けた場合です。2000年度で多分30件ぐらいいただいておりますが、こういった形でコンベンションについてご協力ができると考えております。

 

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南九州三県の知事・副知事も熱心にメモ

 

【石月議長】地元の方もご意見をお願いします。

【有村】こういう会議は女性が非常に少ない。これからWACを開催するときに女性の委員を増やしていただきたい。いま旅行するのは女性が圧倒的に多いのです。そのユーザーの声を聞かないで、商品構成をしていくということは非常に不足している部分だと思います。

【石月議長】ぜひご意見に沿うようにしていきたいと思います。この辺で一応討議を打ち切らせていただき、南九州三県の知事、副知事さんに今後どのように観光開発に取り組んでいかれるのか。お聞きしたいと思います。

【黒田副知事】熊本県は観光産業を21世紀のリーディング産業の1つと捉え、今後とも積極的に育成を図る考えです。とくに観光関連の事業者ばかりでなく、地域住民も巻き込んで展開していく。土地の保有魅力も育て、シーズを伸ばすこと。この3つを基本姿勢に取り組んでまいりたいと考えています。こういうことを踏まえ、自然、文化的史跡に加え、さらなる素材開発と観光ルートの開発に取り組んでいくことを考えています。また、水俣病の体験があり、素材開発として環境学習、修学旅行があげられると思います。さらに、会議でテーマとなりました情報発信に関しては、地元の観光関係の皆様方も非常に強い声があるということをご紹介させていただき、IT化に遅れないよう取り組んでまいりたいと考えております。

最後に、三県のネットワークづくりの重要性を再認識し、県境を超えた線あるいは面的な展開をつくっていくことが重要です。本日の会議を契機に、海外や首都圏に対するPR活動、あるいはルート開発など、なお一層実行性、具体性のある事業を三県共同で取り組み、九州全域に広がっていくことに努力したいと考えております。

【松形知事】サミット開催は大成功裏に終わることができたことにいくらお礼を申し上げても足りない気持ちです。

私は、昔の団体で景色を見て歩くという観光が、いまは2つあると思っています。1つは大会議とか大会。そこに何千人と集まって、その寸暇を惜しんで近郊型の旅行を行う。もう1つは、文化観光とか、いろいろ目的を持った小グループ観光に変わってきているのではないか。広域の観光について、営々進めておりますのは道路の整備です。来月には北九州からの高速道路が完成し、北九州から阿蘇を通り、そして宮崎、鹿児島へのルートをつくるという考えもあります。もう1つは過疎といえば非常に沈んだ感じがいたしますが、私は「過疎力」といって、そこにある潜在的な能力を、自分たちで引き出し頑張っていきたいと思います。

【須賀知事】大変貴重なご意見・ご提言をいただき誠にありがとうございました。

本県は先日、21世紀の進むべき方向、課題、基本施策を明らかにした「21世紀新鹿児島総合計画」を策定しました。これは平成13年度を初年度とし、「共生」をキーワードに策定しております。この中で、今後の観光振興策の基本方向としては、1つは県域や市町村を超えた広域観光の推進を掲げて南九州三県との連携を強化する。2つ目は市町村の広域的な連携の促進と合同キャンペーンの実施。3つ目は魅力ある新たな観光ルートの開発。4つ目はインターネットを利用した情報提供システムの活用など、きめ細かな誘客対策に努めることとしております。今後は本日のご意見・提言を踏まえ、南九州広域観光の推進に三県共同で積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

【石月議長】ただいま三県の知事さんから、南九州の素晴らしい観光資源に対する深い認識と、高い見識にもとづく今後の観光開発方針が示されました。ここで三県の知事さんに共同宣言を読み上げていただければと思います。どうも、長時間ありがとうございました。

 

 

 

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