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やはり観光はリピートです。これは何よりおもてなしなのです。この南九州は日本の心の故郷、日本人の気概の原点ともいえる地域です。ホスピタリティとか表面的なサービスではなく、周りの人を大切にする気持ちが大切なのではないかと思います。

いま物質的に感動が飽和している時代です。観光というのは感動を創造する産業です。感動はウイルスのように伝わっていく。私は「流行性感動」といっています。ぜひとも皆さん気概、ロマンをもっていただきたい。ロマンだけでは人を感動させることはできません。けれども「ロマンとそろばん」の両方をもって全世界に南九州を発信していただきたいと思います。

 

討議・意見交換

 

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全体会議の討議風景

 

【石月議長】南九州の観光をいかに発展させるか。そしていかに実行に移すか。その方策について討議しながら結論をえたいと思います。

【須田】いま中部地域でやっていますのに1つは街道観光、1つは都市観光、それから産業観光があります。敷衍しますと、街道観光は今ある街道を辿るもので、古代から近代化されていく歴史過程を辿るとストーリーができます。必然的に広域観光になります。2番目は町です。若い人が集まる大きな都市、人吉のような町もあります。それをうまくミックスすることで広域的に回ることができます。3つ目は産業観光。産業遺産が各地にあります。そういうものを公開する動きがでてきました。ご提案させていただきます。

もう1つ、熊本空港から高速道路で熊本会場へまいりました。大変便利ですが、点から線の観光で面になっていません。そう考えますと、鉄道や船など移動手段のバリエーションをつくるとゾーンの観光が楽しめます。

【石井】2004年春に新幹線鹿児島ルートができるわけですが、その時の広域観光はどうあるべきか。観光は文化を見る心の商品です。もう1つは文明ですが、対立するのではなく上手に使い分けないといけない。ポイントとポイントをつなぐより地区と地区をつなぐ。止まる地区(駅)もあるのでゆとりと多彩な感激を味わうことができるように活用していきたいと思います。

【舩山】各地域に観光資源がたくさんあります。いまこそ地域の資源を磨くことが重要です。実は観光の魅力は1つひとつです。しかし、サービスはよりユニバーサルになっていく。各地の観光地がローカル的な特色があればあるほどグローバルな価値がでてきます。各地域の知られていない素晴らしい資源を、ぜひ提供していただきたいと思います。インターネットでの情報もアップツーデートでやるのは難しいわけですが、そういうアップツーデートの情報をぜひ提供いただきたいと思います。

【清水】いま私どもは駅を中核にどうやってお客様に情報を発信し、観光地にお送りするかということに力を入れております。最近は秋田−青森の間にあります白神山地を徹底的に情報発信していこうと、「リゾート白神号」という列車を走らせ観光地を含めたいろいろなコースをつくってやっています。そこで感じますのは、発地で考えるのではなく、着地の提案をいただきたいと思っております。そのつなぎ方も重要で、どういった形で楽しくつなげるか。これも提案が必要かと思っております。

もしよろしければご参加いただける地方自治体といろいろな実験をしながら、私どもが駅で情報発信し、お客様をお送りさせていただく。具体的に実践をしていきたいと思っています。

【向山】日本全体でアジアからのお客様は60%を占めております。九州の場合は、それが80%です。今後アジアからの観光客はさらに増え、10年後には全国的に見て70%から75%ぐらいになると思います。それから豊かな観光魅力をどうやってアピールしていくか。やはり関連する数県が共同して取り組むことが必要です。相手方への働きかけはだんだん個人旅行が増えており、一般消費者向けを強めていく必要があります。とくにテレビのコマーシャルとかドラマあるいは音楽の中継で紹介していくのは大事になってくると思います。

 

 

 

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