実は私は大学時代に旅行の添乗員をやっておりまして全国あちこちにアルバイトで伺ったのですが、この南九州の地域ほど素晴らしい観光資源に恵まれているところはありません。自然も、文化も、歴史も、食べ物もありとあらゆる部分で本当に恵まれた地域です。いままでは向こうからお客様が来てくれたと思いますが、これからはお客様を呼び寄せないと、そう簡単には来てくれないのではないかと思います。
21世紀の成長産業といわれるのは「3T」と言われています。1つはテレコミュニケーション。ITもそうですし、どんどん広がっています。次にトランスポーテーション。このトランスポーテーションは伸びるけれども、伸びる視点が少し変わってきているのではないか。普通は地理的な距離で考えますが、実はいろいろな距離があります。金銭的距離、時間的距離、心理的距離、そういうことを考えないといけない時代になってきていると思います。もう一つはツーリズムですが、この3Tは別々ではなく、連動していくことが大切であろうかと思います。私が鹿児島をお手伝いして感じるのは情報の発信が弱いことです。
そこで、私なりに「あいうえお」という5つのポイントで考えてきました。まず「あ」です。「遊び」です。これはすごく大事で、提案したいのは遊び心、ゲーム性を三県で考えたらということです。例えば、飛行機に乗るとマイレージポイントがつきます。三県で「南九州観光ポイントカード」や「南九州観光マイレージ」をつくられたらどうでしょう。2つ目の「い」は「癒し」です。ヒーリングとかセラピーという言葉も一般的になりました。欧米ではアニマルセラピー、オーシャンセラピー、マウンテンセラピーといろいろあり、自然の中で心と体を癒しています。南九州は素晴らしい観光資源があります。
「う」は「美味い」です。食べることは非常に重要です。三県には素晴らしい食材があり、地元の料理もあります。そこでいろいろな食材を開発していく。今までの食材でも味付けを変えていく。見せ方を変えていく。創造的破壊が大事です。「え」は「選ばれる」です。つまりこれからは差別化です。ひと言でいえばブランド化です。そして「お」は「おもてなし」です。