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【城田】東京から沖縄に行く飛行機で、天候がよくなくほとんど揺れっぱなしでした。そういう中で、「客室乗務員もベルトをして下さい」というアナウンスがあった後、トイレに行かれた人がいたのです。1人の客室乗務員が一緒にトイレまでついて行き、トイレの側で待ち、お客様が戻られてベルトを着用するのを確かめ自分もベルトをかけたのです。ホスピタリティとはマニュアルにはない、こういうものだと思いました。

【沢幡】私は旅館でバイキングの朝食をした時、ホテルにいるような感覚を受けたことがあります。もう1つは何か頼んだ時、必ず「沢幡様、かしこまりました」と言ってくれるホテルがありました。それから以前、温泉場はそのまちらしさがありました。最近は旅館がお客様を囲い込み、寂れました。もう一度まちの雰囲気を再生していくことが大切です。最後に身障者用のトイレマップをつくれば、新しいお客様が来られると思います。

【渡部】旅に出ることは、そこの自然風土、人、食べ物に触れ、参加したいという気持があるからです。そこにオリジナリティーがなければいけません。あと、1日の過ごし方も含め、旅人の心をゆっくり満足させてあげる細やかな情報を発信していくことが大事だと思います。

【立山】各県の専門委員からもご意見をお願いします。

 

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意見交換では地方専門委員も活発に発言

 

【関谷】サミット外相会合で大きな課題は、どうもてなすのかということでした。私はマスコミと警備を受け持ち、他の宿泊施設でも使える4,000円のミールクーポン券をつくりました。警備、警察の方々にお話しを聞き、洗濯機および乾燥機の場所を提供、それから水道代・電気代はホテルで持ちました。もう1つは、全国紙をある新聞社と相談、5人に1部の割合で提供しました。例えば島根県の警察が泊まっているホテルには、朝一番で島根の地方版を無料で配付しました。その県警からお礼状がたくさんまいりました。

【有村】指宿地区では平成6年の市長選挙を契機にホテル・旅館業が協力する体制ができました。現在お互いの予約状況を公表するようになり、指宿に入ってくるお客様は逃さないようなシステムができあがっております。いま「若女将の会」もでき、「指宿おごじょサミット」も開催することになりました。

問題提起したいのは、宿泊業は旅館スタイルがほとんどですが、この中で働く女性は、セクハラとおもてなしの問題に悩んでいます。私は婦女暴行未遂で警察に告発したこともあります。こういうことは、おもてなしと同時に進行させなければいけないと思います。

【岩見】天草観光協会はこれまで行政サイドの作業に終始してきましたが、昨年天草空港が開港、第三セクター「天草エアライン」を立ち上げたことで、各地で天草観光の論議が盛んに行われるようになりました。いまアクションプランを熊本県と共同で進めています。

【立山】ホスピタリティという問題と、南九州三県の連携をどうつなげていくか。何かお気づきの点があればご発言をお願いします。

【須田】広域観光について提案したい。1つは街道観光、道筋観光です。次は都市観光です。もう1つは産業観光です。例えば、球磨焼酎は観光資源になりますが、必ず横とのつながりが必要になるということです。

【小泉】この辺りは温泉が素晴らしい。ゆとりといいますか、ホッとすることをアピールすべきです。この場合、共通したものがありながら一方で区別する。そういうアピールが必要と思います。

【城田】いま私ども「三世代の旅」という商品を売り出そうと思っていますが、障害者用のトイレとか、おじいちゃん、おばあちゃん向けの特別な施設をつくった方がメリットがあるのではないかという気がします。

【沢幡】連泊の問題ですが、料金やサービスの面で考えていくべきだという気がいたします。それから他と差別をするのは従業員のマナーだと思います。

【渡部】三県で共通する部分は四季が同じ時期にくることです。これを第1段階とすれば、その次のステップは各県の違いとか個性をツーウェイインターネットを含めて情報発信してはと考えます。

【作古】資源を地域の財産として後世に残していく視点が必要と感じました。また、経済効果を創出することで、市民も生きがいや活性化につながるので、仕組みも並行的に議論しないと片手落ちということを感じました。

【関谷】南九州三県の女将に集まっていただき、いろいろな話をされればいいのではないか。三県で南九州のサービスは日本一だというぐらいでなければ、お客様を引きつけるインパクトにはならないという気がします。

【立山】最後に問題提起をされましたお2人に何か、一言お願いします。

【堀尾】私どもができることは足元を固めるのみです。いろいろ参考にしながらやっていきたいと思います。

【野田】これからはもっといろいろ勉強して県内各地を訪れていきたいと思います。

【立山】いろいろなご意見や提案をいただきありがとうございました。

 

 

 

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