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司会/すごく不慣れな私としては、参考になるお話ばかりなんですけど。うかがってますと、様々な旅のヒント、皆さんもきっとおありかと思うんですけれども、星野さん流、旅の楽しみ方というのは、人との出会い、そして写真はもちろんだと思うんですけれども、どういった事でしょうか?

 

星野/私ね、すごく、海外、どこに行っても、何でも食べられるし、どこでも眠れるし、平気なんですけど、必ず持っていく物は、陶器の急須と、陶器の湯飲み持って行くんですね。

これまたカメラに続く厄介な物で、割れるでしょう。だから、アルミの物とか色々あるんだけど、やっぱり、陶器の物で、急須でお茶を出して、湯飲みでちゃんと飲むのが、お茶、美味しいんですよね。本当に、ホッと一人になって何にも考えないでいる時、旅って、ちょっと興奮気味でしょ。だから、何か、見るもの見るもの、刺激があったり、会う人も興奮したり、そういう1日があって、夜、ふっと、本当に、精神的に一人になった時に、お茶を飲みたいの。

すごい、これ、わがままで、贅沢ね。荷物は少なくしなきゃいけないのに。でも、だから、日本のお茶セットで、自分一人の為にお茶を出して飲むと、これが何かね、明日への意欲を、また、出てくるみたいなね。だから、私にとっては、その、本当に、10分か15分のひとときというのは、旅の中で、すごく大事なんですよ。

 

司会/何か、すごく、おしゃれですよね。それこそ、究極の星野さんなりの、旅の楽しみ方というような。

 

星野/そうですかね。何かね、その時間は、すごく大事だし、だから、それも旅の一部。

 

司会/旅行に行くと、様々な美味しい食べ物があって、皆でワーっと食べて、これも美味しい、あれも美味しいも良いですけど、そういった、一人の時間を持たれて、お茶を飲んでっていう、なるほど。

榎木さんは、榎木さん流、旅の楽しみ方といいますと?

 

榎木/そうですね、旅というのはどうしても、日常、非日常的な時間ですから、結構、自分を開放できるじゃないですか。そういう意味では、あまり、自意識過剰にならない事でしょうね。それは、国内、国外関わらずだと思うんだけども、どうしても、日本人っていうのは、そういう意味で、旅行下手だなって、これ、一般的にね、思うのは、「私が、私が」「俺が、俺が」でね、ついつい旅しちゃうと、いつも、今までの日常と、比較してしまうんですね。そうするとね、別にどうって事ない事が、非常に辛かったり、嫌だったり。

ですから、そういうこだわりを、一切なくして、全く、白紙になってしまえば、旅が、全く、新たな出会いの始まりというかね。だから、そういう、自意識過剰にならないっていうか、普段の自意識を、捨てて行く方が、言葉で言えば、海外なんか行く時は、僕はもう、日本人である前に、地球人みたいな意識をホッと持ってしまうと、特に現地の人なんかとも、仲良くなれる一番の早道ですし、私は日本人と思うと、いつも、日本の基準で見てしまうと、「ワー、汚い」「ああ、かわいそう」ってなってしまうんだけれども、そうじゃなくてね、ここに暮らしてるこういう人たちは、こういうもんだな。それは、国内でもそうだと思うんですけれども。まあ、その、意識を、フッと変えて、日常を引きずらない事でしょうね。

 

司会/「この今を生きる」という本を拝見させて頂いて思ったんですけれども、今おっしゃった、その、旅をするにあたっての、意識的な部分とか、あと、精神的な部分、それから、生きるという名の通り、生きる上でのヒントのようなものも書かれている本だなあって、すごく思ったんですね。「この今を生きる」そういった事も、詳しく、こちらに書かれていらっしゃいますよね。

 

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