Q118 最古の両生類は何ですか?
A118 最古の両生類の化石はイクチオステガですグリーンランドのデボン紀の終わりの地層から発見されました。体長は約90cmほどあります。1928年最初に頭の部分が発見されたとき、魚と思われたほどで、頭の部分はユーステノプテロンなどの総鰭類の魚と似ています。やがて1948年に脚の部分が見つかり両生類と判明しました。頭のほかにも、尾や魚のような尾が残っていた反面、よく発達した前肢や後肢が肩胛骨や骨盤をはじめとする骨によってしっかりと背骨につながれていて、歩くのに都合のよい構造になっているなど両生類としての特徴も兼ね備えていました。
Q119 陸上での生活への適応はどのようにして起きたのでしょうか?
A119 植物の上陸と同様、水中の動物が陸上へ進出するためは、水中とでは大きく違っている陸上での環境にあわせた大きな変化が必要でした。陸上では、肺をつかって呼吸をする必要があります。しかし、肺は、水が濁った場所や乾燥した季節に空気を呼吸するために肺魚をはじめとする魚が遅くともデボン紀の中期に発明していました。また、呼吸に欠かせない鼻道も、総鰭類の魚類で、外鼻孔から内鼻孔を経て口腔と咽頭に通じる、高等な陸生の脊椎動物と同じ配置の鼻道が形成されていました。乾燥からの保護も重要な課題ですが、初期の両生類の中は、魚類型の先祖の体表を覆っていた鱗を持ち続けているものがあり、これによって乾燥を防いでいたと考えられています。このように、陸上生活への適応は、すでに魚の時代にその多くが獲得されていたと考えられます。ただし、初期の両生類も、現在の両生類と同様水中で卵を産んで繁殖していたと考えられ、その意味では完全には水から独立しているわけではありませんでした。
Q120 何が脊椎動物の上陸のきっかけだったのですか?
A120 有名な古脊椎動物学者であるローマーは、河や湖が干上がったとき乾燥を避けて生き延びるために、ほとんど四肢というまでに発達した前後のヒレを使って別の河や水たまりへ移動することが上陸の始まりだったと考えています。たしかに、イクチオステガの化石は、先に述べたようにバルティカとローレンシアとよばれる二つの大陸が衝突してできた山脈からもたらされた多量の赤い色の河川性の堆積物の中から見つかります。このような場所は、山脈からもたらされる大量の堆積物で河川などの水系の付け替えが頻繁に起こるような場所であったに違いありません。またその赤い色から旧赤色砂岩と呼ばれる堆積物の色から推定されるように、乾燥気候も訪れたに違いありません。ですから、当時両生類の先祖が水のある場所を求めて移動しなければならないような環境で生きていたことは十分考えられることです。
Q121 脊椎動物の上陸のきっかけとして気候条件などのほかに、どのようなものが考えられますか?