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「海洋科学から見る水惑星の多角的視点にたつ基礎研究」研究報告書

 事業名 海洋科学から見る水惑星の多角的視点にたつ基盤研究
 団体名 日本科学協会 注目度注目度5


H 水界から陸界へ―2 ―動物を中心に―

大野照文 (京都大学総合博物館情報発信系教授)

 

はじめに

本研究の主たる目的は、我々人類の生活の舞台である陸上にどのようにして多細胞動物が上陸したかを明らかにすることである。脊椎動物の上陸は古生代のデボン紀と呼ばれる時代の後期であるが、この上陸事件を理解するためには、一方では生命の誕生から上陸の主人公である脊椎動物が進化するまでの長い道のりについて知らなければならない。他方、生物進化を促した地球環境の変化にも注意を払わなければならない。そこで本報告書では生命の起源から多細胞動物の進化までの生命進化について詳細に検討する一方、地球始まってから多細胞動物が進化した頃までの地球環境の変遷をも概観した。その要旨は次のとおりである。

 

本文

最古の化石からカンブリア紀の初期における多細胞動物の爆発的進化を経て多細胞動物の上陸までの生物の進化と、地球史の概観(付属資料「H:水海から陸海ヘ―2」<写真・図>)

 

最古の化石から酸素発生型光合成の始まりまで

生命のもっとも古い痕跡は、西グリーンランドのAkilia島の約39億年前の変成した堆積物(縞状鉄鉱床)中のアパタイトと呼ばれる鉱物から見つかった石墨化した炭素である。この炭素には12Cが濃集していて、選択的に軽い同位体を取り込むという生命に特有の活動の痕跡だろうと考えられている。生物体が保存されたものとして最も古い化石は、オーストラリアの35億年前のワラオーナ層から発見されている。化石の含まれていた地層の研究から、熱水環境に生息していた好熱性のバクテリアではないかと考えられている。そこで、生命は、熱水環境で生まれたと考える研究者もいる。さらに、西オーストラリアの約28億年前のフォーテスキュー層群(Fortescue Group)の地層からは、現生のラン藻ユレモ(Oscillatoria)などと形態もきわめて類似した化石が発見されている。原始地球の大気には酸素はほとんど含んでいなかったと考えられており、多細胞動物の呼吸にとって不可欠な酸素は、ようやく28億年前、酸素発生型の光合成を営むもっとも原始的な生物であるラン藻の出現によりはじめて地球に蓄積し始めたと考えられている。

 

真核生物の出現

我々と同じ真核細胞をもつ最古の真核生物はグリパニアで、アメリカ合衆国のミシガン州から21億年前の地層から発見された。Grypaniaである。しかし、多細胞動物の最古の化石はせいぜい6億年前までしかさかのぼれないので、真核生物の出現から最初の多細胞動物の記録の間には15億年もの年代の差が存在することとになる。

 

 

 

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