3. エル・ニーニョ現象
3.1 研究の意図
エルニーニョは、海水と大気の循環が関係しあう現象である。1997年〜98年にかけて発生し、世界中に異常気象が発生した。新聞でもエルニーニョについてさまざまに報道されているが、エルニーニョの本質は、一般社会にあまり知られていない。一方、最近、人工衛星や赤道太平洋に設置された海洋観測ブイ(TAOブイ)によって、エルニーニョの実態がかなりよく捕らえられている。本研究では、その観測データをコンパイルし、エルニーニョの発生から消滅までの過程を示す動画を作成して、エルニーニョの実態を明らかにする。同時に、エルニーニョのモデル実験を行い、実験容器内の流れを実際に観測された現象と比較して、エルニーニョのメカニズムの理解を深める。実験の過程はビデオに記録し、学校や科学館で利用できる形にする。
3.2 エル・ニーニョ現象の発生から消滅までの過程を示す動画
気象研究所の中澤氏は、TOPEX/POSEIDON、NOAAの人工衛星資料を用いて、97/98エル・ニーニョ現象の発生過程を示す動画を作成した。その発展として、TAOブイのデータを利用し、赤道大平洋の鉛直面内の温度分布が、エル・ニーニョ現象の発生から消滅までの変化する様子を示す動画を作成した。