日本財団 図書館


オルゲイユ隕石落下に関するフランス語の古文書も収集したが、今年はその日本語訳を行い、落下当時の様子を再現した(付属資料「オルゲイユ隕石落下当時のドキュメント」)。

次に前記の隕石中の岩塩と隕石母天体での塩湖の存在の話など、我々の協同研究者への取材で上記TV番組は進められている。次に同じ研究者のカナダの氷結したタギッシュ湖への隕石落下と、その氷詰にされた水を多く含む隕石の回収の意義など、その映像とともに放映された。このタギッシュ湖隕石は、炭素質コンドライトとしては、今まで知られていなかった、イヴナタイプとミゲイタイプの中間のもので、地球のある太陽系外で形成されたダイヤモンドなどプレソーラー粒子を多く含んでいる。

同じ炭素質コンドライトで日本に落下し回収された2つも、今までに発見されたものより熱変成の度合いの異なる珍しいものであった。オルゲイユ隕石が1864年にフランスに落下して以後、もっとも水を多く含んだイヴナタイプの落下は非常に希であったが、今年は前記2つの隕石に続いてもう1つの炭素質コンドライトが、東京近郊の狭山で発見された。この隕石は十数年前のチェルノヴイリ原発事故のあった直後に、人家の屋根に当たって落ちたもので、長らく中学校の理科室に埋もれていた。今年、国立科学博物館に隕石が持ちこまれ、研究の結果、炭素質コンドライトとわかり、狭山隕石と名づけられ、現在登録手続中である。この隕石もミゲイタイプに似たものであるが、もっとも水を多く合むイヴナタイプの組織にも似ている。これらの隕石は今まで考えられていたより多様性に富み、その研究は地球の水の起源について多くの手がかりを与えてくれるものと期待されている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION