8月10日(木)
○本日のスケジュール・内容
1) マニラの保健所見学
2) フィリピン大学医学部と病院訪問
3) フィリピン保健省訪問
1) マニラの保健所[Lanuza Health Center (Sta. Cruz, Manila) ]見学
1] マニラの保健所の構成
2] マニラの保健所の業務
3] マニラの保健所の避妊方法
Tarlacでは、「Rural Area (地方)」のHealth Centerを見学したが、このHealth Centerでは、「大都市マニラ」でのヘルスサービスについて話を聞いた。
1] マニラの保健所の構成
ここは、DOH(保健省)のShow Windowといわれているほど、国の政策を濃く反映している所のようだった。36のBarangay(地区)、人口約54,000人にサービスを提供している。この中にはスクワッター(無断でその土地に住んでいる人々)が住み、貧窮地区となっている6つの地区も含まれている。また、ミンダナオからの難民も多く暮らしているそうだ。ここでは、Nurse 25名、Nurse Superviser 2名、Midwife 17名、Dentist 7名、Physician 21名が働いている。TaralcのHealth Centerと同様に、ここでもやはり母子保健(Mother&Child Friendship)に力を入れていることが強調されていた。
Rural Areaと違うことは、Barangay Health Workerになる人が少ないことだった。都会では、母親もそれぞれ仕事を持っており、ボランティアでやるこの役目を引き受ける人は少ないそうだ。ここでは、36の地区に6人しかHealth Workerはいないそうだ。
2] マニラの保健所の業務
業務内容は、母親学級や産後管理、ワクチン接種の他、癌・性感染症の対策や眼の管理(Primary Eyecare)・デング熱に関する教育等である。また、現在36人の結核患者と5人のハンセン病の患者が毎朝通ってきており、MDT(多剤併用療法)を受けているそうだ。監視下で毎日薬を服用することで、薬を売って現金に換えたり、途中で服用を止めたりするのを防ぐことができる。日本で講義されたことが実践されていた。患者が来なくなった場合には、Health Workerに訪ねてもらい詳細を聞いてもらうそうだ。
このHealth Centerの方針は、「患者を待つのみでなく、自分たちがフィールドに出かける!」であるという。例えば貧窮地域の状態把握のために、また結核など偏見(stigma)がある病気は、症状があってもHealth Centerに相談には来ないので、職員が聞き取りに出かけるそうだ。訪問チームは、医療・保健サービスのほかに、散髪サービスを行ったり、土と種を与え食物栽培を薦めたり、弁護士が同行して暴力の問題などの相談にのるというサービスも行っている。