保健分野における住民活動の強化を図るのが目標である。劇の題名「ナイナイ」には、母という意味もこめられている。
劇はcity hall(市役所の広場のような所)でおこなわれた。観客は近くの2つの小学校3年生までが中心で、500人以上はいたかと思われる。(不確実だが、本当に大勢いた)そして、とにかく盛り上がった!今回、はじめて私達を迎え入れたためかは知らないが、やたらと歓迎してくれたという感じだった。まずはじめに大音量のダンスミュージックから始まった。そこで、いきなり子供達はノってくる。国民性の違いを感じた(流れで林と私も壇上で踊ってしまった)。続いて、市側と日本側の挨拶があり、その後、小学生たちの歌や民俗的ダンスを2つ披露され、私達も炭坑節と阿波踊りで返した。なにやら国際交流してるぞって感じになってきた。
さて、ようやくメインの人形劇に入る。
人形劇の主旨はデング熱のことを学ぶ健康教育ものだが、前後にダンスミュージックを加えて、子供達をのせといてからデング熱のことをさらっと聞かすのがミソである(劇の半分はダンスミュージックで踊らせていた)。内容は、登場人物が蚊に刺されて発病し、病院を受診する過程で、デング熱の生息地や発症した際の症状と対処方法を伝える。そして、環境を整えることが蚊の生息を困難にさせ予防につながる、というストーリーである。タガログ語だったため言葉はわからなかったが、大体の筋書きはわかったし、アクティブな内容ですごく楽しめた。
2] Puppetry Show(人形劇)の効果について
劇は小学生のための健康教育だが、小学生が家に帰り、内容を母親に話すことによって母親にデング熱の知識が入る。いずれそれは、母親同士から地域のコミュニティレベルに知識が広まり、地域の衛生環境を変えようとする意識改革にまで結びつくと考えられる。
単なる人形劇ではない。住民の積極的な保健活動への参加や健康意識の向上という重要な意味がこもった活動だといえる。 (波戸)