日本財団 図書館


1] 家族計画

Mrs. Manlutacは子宮を描いたエプロンを付け、子宮部分についたポケットに胎児のイラストを入れて私達を迎え、講義をしてくれた。

この地区では家族計画の成功によって子供の数が年々減ってきている。家族計画の促進を行う前は一家庭あたりの子供の数の平均が7人だったのが、今では平均4人になっている。カップルのための家族計画の講義(講義を受けるのが結婚のための条件だそうだ)では、JICAの寄付による教材を使っている。教材とは、胎児が育つ様子が一枚一枚綺麗なカラーイラストになっているパネルや、前述した、お腹のポケットに胎児が育つ様子のイラストが入れられるエプロンであった。

避妊方法に関しては、ホルモン注射によるものが一番多く、一番良い避妊法とされていた。コンドームはあまり使われていないという。

 

121-1.jpg

保健婦の制服を着たMrs. Mercy Manlutac。

家族計画のポスターが一面に

 

2] 栄養

子供がきちんと発育するよう、母親への指導と、小児の体重計測が中心である。

母親には、値段が安くて栄養の充分ある季節の食べ物を使うことと、バランスのとれた食事にすることとを薦めている。このBHSでは子供の月毎の体重を計測していて、その結果によると、標準体重に達していない子供の数は年々減少してきているそうだ。

 

3] 予防接種

EPIに関しては毎週水曜日にBHSにおいてワクチン接種を行っていて、毎週水曜日にはワクチン接種と赤ちゃんの検診のために大勢がここに来るそうだ。ワクチン接種はBCG、B型肝炎、ポリオ、DPT、麻疹である。誰がいつ、どのワクチンを接種したかが分かるように、彼女の手できちんと記録されていて、ワクチン接種の実行日と次の予定日が一目で分かる様になっていた。

 

4] 環境衛生

環境衛生に関しては、衛生的なトイレや井戸等を作ることによって安全な水源を確保する事を薦めている。この活動により年々下痢の数は減少しているそうだ。こうした住民に対する教育は、ほとんどが母親を中心に行われている。ここの地域では男性の90%が農夫で、1日中外に出ていることがほとんどなためである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION