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案件が出てからプロジェクトが動き出すには、災害援助などの緊急性の高いもの以外は、案件をまとめて日本に送り審査を受けて、現地の調査・集計・企画等などに最低2年ほどかかり、あまり小回りは効かない。その点NGOは、資本規模は共に小さいものの融通・小回りに関してはGOに比べ遥かに高く、それらの利点を生かす意味もあるのか、近年NGOに対する活動支援・連携が行われるようになった。

 

今後の日本の援助は要請された案件だけではなく、日本人ならではの視点から有効と考えられる、住民の気づかない隠れたニーズを見つけ掘り起こすことに重点が置かれる様になるかもしれない。 (金川)

 

3) 学生主催懇親会

JICAマニラ事務局から帰る途中に、交通渋滞に巻き込まれた我々は青い顔で到着したが、渋滞にまきこまれたのは招待客の方々も同じだった。予定より大分遅れたものの、みなさんを歓迎したいという気持ちを一つにして懇親会を開始した。日本から持参した日本酒もカクテルコーナーにおいた。お招きしたのはWHO、JICA、DOH(フィリピン保健省)の職員の方々、フィリピン大学(UP)医学部の教授・学生たちで、バイキング方式の食事をとりながら歓談した。

歓迎の気持ちとして、必死で練習してきたヒップホップダンス、炭鉱節、阿波踊りを団扇を持ちながら披露した。会場の人々、特にUPの学生が一緒に輪に入ってくれ、盛り上がった。UPの学生からは歌の披露をいただいた。続いて我々は「上を向いて歩こう」を歌い、更に、鶴を折るというパフォーマンスをした。懇親会終了の挨拶の後も、学生同士の交流が続き、再会を約束して別れた。

 

準備時間は決して充分ではなかった(今後参加する人で、自分の趣味や特技のある人は何か持っていくとよいと思う)。だが、3日前に初めて出会った者同士が、みんなの知恵を出し合って、短期間でプログラムにしていく。このスピードあるチームワークはすばらしいと感じた。まさに、将来期待されているチーム医療のやり方のいい勉強になった。この対応の早さ、いつまでも忘れないでいてほしいと思う。 (竹田)

 

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フィリピン大学医学部の学生とともに踊るわれわれ

 

 

 

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