10:30〜11:10 「WHOと21世紀の課題」
WHO健康開発総合研究センター 所長 川口雄次 先生
<内容>
WHO(世界保健機関)は、国連から独立した専門機関であり、191ヶ国の加盟国からなる。人口問題や高齢化、都市の問題、感染症、生活習慣病等、健康に関する様々な問題を扱う。そのWHOの研究機関であるWHO健康開発総合研究センター(WHO神戸センター)は、総合的な健康開発を目的とする国際研究組織であり、世界的な保健・医療・福祉システムの構築というテーマに沿って、国際的な学際的研究や情報の収集・分析・発信を行っている。
具体的に扱うのは高齢化や伝統医学の再評価、環境、女性と健康、たばこ、エイズ等の問題で、民間非営利団体として各界から人を集め、問題意識を高めるためのシンポジウムを開いている。営利を追求する企業とも、対決するのではなく、社員の健康が企業の効率を高めると言うように企業の持つ価値観を変換することで、ともに健康という同じ目的に向かい協力し合える。いろいろな角度から“健康”について考えることが大事だ。
<感想>
日本人として長い間WHO本部で働かれてきた川口先生は、国際協力に携わる上で、「自立」の大切さを示唆された。社会全体を見て民主化・市場化・情報化・国際化・学際化などを肌で感じ、人生とは何か、何のために生きているのかを考え、自らの志を大切にすることが重要だという熱いメッセージだった。
11:10〜11:50 「国際医療協力の現状」
国際医療福祉大学 医療福祉学部長
笹川記念保健協力財団 理事長 紀伊國献三 先生
<内容>
故笹川良一氏が、世界からハンセン病を無くすことをライフワークと決められて、笹川記念保健協力財団が成立した。“Health For All”というのは「全ての人が生産的な人生を歩めるように」という概念で財団の基本方針である。「継続は力なり」ということが国際協力でも重要なのだ。
紀伊國先生は、よきサマリア人の喩えを用いたりされながら、ゆるやかにお話し下さった。