○総括ミーティング
総括ミーティングでは「国際保健協力はうさんくさいか?」ということをテーマにして、3つのグループに分れて10分間ディスカッションが行われ、その後、各グループ2分間のプレゼンテーション、その後お互いに質問がなされた。総括ミーティングの時間が短くなったこともあって、JICA班からの提案でこのテーマが選ばれた。
◎「国際保健のうさん臭さについて」
なにが国際保健をうさん臭いものにしているのか
どうしてそう感じるか
<グループ1>―(里野、門田、岡村、目原)
*豊かさとはなにか?
*先進国から、途上国へのおしつけ。
ここが「うさん臭い」もと?
*慈善事業であってもそれなりの利益は追求している。
*それはそういうものではないか?
<グループ2>―(神山、石井、渡、堀内)
*「一般の人々から見てどう思うか」について考えた。
途上国の人々を助けるというよい面が強調されているが、そもそも、日本のODAは戦後処理の一環として始められたし、欧米も植民地支配の処理のため。したがって、そもそもがうさん臭い裏のある金なのだから多少よいことに使うほうがいい。
*世の中にうさん臭くないことはない。その中で、プラスになっているものがあればいいのではないか。
*ただ、国民に多額のお金を使わせているのだから、もっとやっていることと同時に、うさん臭さをもっとアピールすべきである。
*日本のODAの多額さは日本経済に必要なのだろうか。
*もっとするべき問題は国内に多いはず。
*先進国の押し付けだから、うさん臭いのでは。
<グループ3>―(土屋、田中、清水、下島、吉國、薄田)
*後進国には何もするお金がないから、先進国が後進国に対して援助するのは別にうさん臭いことではない。
*国際協力は必要だけどでもケースバイケースではないか?
*いろんなものを見たとき、想像力が必要なのでは。なにかをやるにしてもあとの見通しをたてることが必要。
*私は尾身先生に「目の前の1人を今救うのと、将来的に100人を救うことができるのとどちらを選ぶか、どちらがいいのか」ということを聞いてみたかったのだけど、先生のお話を聞いて、私は『尾身先生は、(WHOの立場としては)将来的に100人を救うことを選ぶだろうけど、それでも常に今まさに死んでいく目の前の1人の存在を忘れない人だ』と感じたわけです。